『境界領域の詩』パーセルタング

ゴホッゴホッ…ゴホッ…
（大丈夫？）

うん、大丈夫、マイフレンド

寝る
（うん）
寝る
（うん）
眠くない
（え？）
眠くない
（眠くないの？）
……

足がつりそう
（大丈夫？）
なんかね、足がつる
（お水飲んだ？）
のんでない。なんで？
（お水飲まないとつるみたいだよ）
のんでない
（お薬は？）
のんだ
（よし）
………

…なんか
（うん）
なんか言って…やさしい言葉言って
（すごいねとか？）
ちがう
（えらいねとか？）
なんかちがう
（じゃかわいいね）
そんなありきたりな言葉は聞きたくないんだよ…
（例えば？）
なにが？
（やさしい言葉）
すてき
（ゆうくんすてきだよ）
なんかちがう
（えー！）
…さっきなんか、誰か乗ってきたよ
なんか身体が…なんか乗ってる感じ
（誰かいるの？）
ちがう、乗った
（動かなくなった？）
ちがう、動くけど
なんか今日…なんか
買った漫画の本を乗せた感じ
さっきだって、なんか…乗ってたよ
（なんの漫画？）
…なんだっけ
生活の漫画
（おもしろい？）
なにが？
（生活の漫画）
さあ…なんか忘れた
てかなんか
買ってきたのに
探してもないんだよね
（忘れてきたんじゃない？）
ちがう！さっきあった
落ちたかな…
（落ちた音しなかった？）
うん…ちがう、そういう事じゃないんだってっ
なんか肩のとこに、積んでた
だからなんか、こうやって身体動かしたら、わさわさって落ちた
（下に落ちてるかも）
でも無い
んーないのかな…
いま見たけどなかった
最初からなかったかも
（あったよ）
なんで？
（落ちたの見た）
あ、そっか…

…だからほら、やさしい言葉を言わなきゃだめだよ
（ゆうくんすてきだよ）
なんかちがう
（いつもえらいね）
口先だけで言ってる…
（そんなことないよ）
じゃもう一回言って
（いつもえらいね）
ちがうなんか…口先だけで言ってる
（ほんとに思ってるよ）
そう…どゆこと？
（そゆこと）
今なんて言った？数字を規定…数字を規定…数字を規定…
（数字を規定？）
・・・

なんか…
シュー、シュー・・シュー、シューシュー・・・　
※パーセルタング