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また今夜も来る。また今夜もあいつが来る。そして私のことを鼻で笑う。 「ふんっ・・・」 母の入院中、あいつは2回目の脳梗塞で緊急入院した。普段から隠れてタバコを吸ったりお酒を飲んでいたようだが、母の入院で監視の目が無くなったことをいいことに、元の不摂生な生活に戻ってしまったようだ。その途端、脳の血管が詰まってしまい、半身麻痺の状態で入院した。その後、あいつは病状が回復し、多少の不便さは残るものの退院することができたが、肝心の母はそのまま帰らぬ人となってしまった。 母は
土曜のお昼、台所から何かを炒める音が聞こえる。 「さくらちゃーん、ご飯できたよぉー。」 おばあが呼ぶ。わたしはなんだか意地悪で返事をしない。特に何かしていた訳でないのに、なにか途中で邪魔された気持ち。三階の自分の部屋から二階のリビングへ行く。 おじいとおばあは、今年の2月に長年住み慣れた名古屋市西区奉公人町の家から、小牧の藤島へ越してきた。小牧にはおじいとおばあの仲良しの三津さんも秀さんもいないのに、さくらたちと一緒に住むことに決めた。だから寂しくなったおじいとおば