11月29日(火)のつぶやき

最高気温21、8度。夕方まで雨。シトシトときどきザァザァと。

晩秋の雨降りの昼どき。昨日知り合いからもらったドリップバッグのコーヒーを飲む。
このコーヒーは、知り合いがよく草刈りなどをする広い駄場(平な土地)のとなりの、くちかけたビニールハウスで、コーヒーの苗木を育てることにチャレンジしている若者が、2種類の市販の豆を挽いてブレンドしたもの。

川沿いの空き家にくらす移住者の若者は、普段は介護の仕事し、あいた時間にコーヒーの苗木を育てている。
かなりのコーヒー好きだ、とのコト(僕は会ったコトがない)。

我が家の飲料水は、簡易水道水。
川沿いの地下からくみ上げた水を、簡易消毒したもので、独特の雑味がある。飲むたびにがっかりする味だ。
(いつもは使わない)ミネラルウォーターを沸かし、丁寧に淹れたコーヒーを、ベランダのイスに座って、黄葉もあざやかな雨の庭をながめながら、ゆっくりと味わう。
そして、ん~、これは、なかなか贅沢なヒトトキではないか、と思う。

苦味と酸味のバランスがとれたコーヒーは、コクがあるけどスッキリした後味がグッド。
香りがやせているのが、少しザンネンだけど、(市販されているような)アルミバッグの個別密封ではなく、紙製の密封バッグにまとめて入っているのだから、それは仕方がない。

しかし、そんなコトを述べてるワタクシは、雑食系の大雑把な「違いのワカラナイオトコ」なので、マトハズレな感想をのたまっているのかも・・・ですが。
今度は、挽きたてのコーヒー豆で、あるいは育った木のコーヒー豆で、淹れたコーヒを飲んでみたいと思った。

「プルーストは、紅茶にマドレーヌを浸して啜った瞬間に、十八年間の過去の全瞬間を思い出した」。
そんな、ある作家のエッセイに書かれた一文を思い出した僕は、2杯目のコーヒは、マドレーヌーならぬクッキーを浸して啜ってみた(バカですね・・・)。
すると、過去の全瞬間を思い出しはしなかったが(あたり前か・・・)過去にした旅の、雨とコーヒーにまつわるスイート&ビターなデキゴトをいくつか思い出した。
ハーバーブリッジで、五番街で、八ヶ岳で、西表で、そしてここ四万十で。

いつものコーヒータイムは、作り手や淹れかたが変われば、いつもとは少し違う豊かな時間がながれた。
雨とコーヒのナツカシイ旅物語に、いっときココロを遊ばすコトができた僕は、雨がやみはじめたグレーの空をながめながらつぶやいた。
まだ見ぬ若きコーヒマニア君よ、愉しい時間のきっかけとなるコーヒーをありがとう、と。
夕方には晴れるかな。


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