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アン・ブレア『情報爆発』

この数日取り組んでいた、アン・ブレア『情報爆発』を読了。何かの目的のために活用するために、一生懸命にノートを作成しようとする昔の人々の姿が垣間見えて印象的だった。また、今日に至るノート作成の源流を知ることができたようにも思う。

思い返してみると、祖父の書斎には、いつも情報カードが備え付けてあった。孫の私はそれを厚紙としか認識しておらず、よく工作の材料としていたのを思い出す。祖父が情報カードを使っている場面は、私の記憶の中にはないのだが、聞くところによるとかなりのメモ魔だったらしい。おそらく祖父のノート作成術では、情報カードが大きな役割を果たしていたのだろう。

『情報爆発』を知ったきっかけは、Twitterで流れてきた「調べ・考え・書き・伝え・集まるための書棚散策」というブックフェアのツイートだった。このなかで、読書猿さんが紹介していた『情報爆発』が目に留まり、手に取ることとしたのである。

http://socio-logic.jp/events/201912_fair.php#sec07

インターネットの時代である現代においては、情報の爆発的増大が言われている。しかし、この本では、16世紀以降の印刷術の普及によっても、情報爆発の認識がなされていたことがわかる。

当時は、どんな書物であっても読むべきところがある、という考え方があったようだ。翻って、今日において大量に生成されている情報は、単なるログデータに類するものも多いし、そうでないとしても薄い情報が多い。そのような状況においては、より必要な情報を探しだし、ストーリーとして構築していく編集の思考が大事なのではないだろうか。


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