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メマリーさんち

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メマリー家の人々の日常を切り取ったマガジンです。「面白き、こともなき世を面白く」ほっと何も考えずに笑いたい方はぜひぜひおこしやす。(*- -)(*_ _)ペコリ
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#コンテンツ会議

もうだれも止められない。

そろそろ喜寿に手が届こうかという妙齢のうちのオカンは、20歳そこそこで子供を産み、青春のほとんどを子育てと仕事に費やしてきた。その反動大きく、オカンは40を過ぎたころから、趣味人に変貌を遂げた。 「私の青春を返せ〜」的な怨念がこもっているものだから、オカンの趣味に対する取り組み方は尋常ではなかった。 「一生に一回だけやから、お父ちゃんお願い。一回だけ海外旅行行かせて」 と、懇願するオカンに親父は 「海外なんぞ行ったら、手足切られて、ダルマにされて、海に捨てられんぞ」

もう、ぼ、ぼくは、耐えられない!その時彼女は…

渋滞で、暇つぶしにとでも思ったのだろうか、男は滔々と語り始めた。 時は、ルミナリエ当日。元町。きらびやかに彩られたイルミネーションが町を覆い尽くしている。 恋人たちや子供連れの家族が、芋を洗うようにイルミネーションのトンネルを行き交っていた。 男はデート中だというのに肛門括約筋をひくつかせて、脂汗をかいていた。 強烈な便意が男を襲っていたのだ。 少しでも気が緩むと、大参事になってしまう。 年の離れた若い彼女が、楽しそうに話している。彼女はかぐわしいシャンプーの匂いをな

恐怖のドライブ!

ゴールデンウイーク。シルバーウイーク。盆。正月。 まとまった連休が取れると、どこかに遊びに行きたくなる。それが人情というものだ。 行きたいところは? カキオコが食べたい! 京都散策! 最近できた巨大モール! 等々 普段の鬱憤を晴らすように、目的地を羅列する家人たち。民主主義に則って、挙手で目的地を決定する。 目的地が決まれば颯爽と車に乗り込み、出発!! 片道約三時間ぐらいが目安で、日帰り旅行を楽しむ。渋滞するから、そろそろ帰ろうと日の高いうちに帰宅を提案。そうだね。

破天荒バカ犬一代記

私がまだ純真無垢でかわいくてかわいくてしょうがなかった小学生の頃。 ミニコミ紙で、貰ってくれませんか?のコーナーに出ていた子犬を貰いに行った。 父は血統書付きのチャウチャウ犬。母は血統書付きのシベリアンハスキー。 貰ってきたこいつは、完全無欠の雑種。それでもどっからどう見てもハスキー顔。チャウチャウの面影すらない。 色々いたのだが「この子かわいい」と、妹が抱き上げたので、そいつに決定。 兄貴の意見は全く反映されなかった。 家に帰って、こたつの上に置いてあったミカンのカ

ヨーグルト

「よ~ぐると」ですか。 私が覚えている限りでいうと、一番古い記憶の中でヨーグルトとの初めての出会いは、5歳ぐらいの頃だろうか。たぶん明治ブルガリアヨーグルトだったと思う。 何故なら、 親父「ヨーグルトってなんやねん」 私「そもそもブルガリアってなんやねん」 妹「これ牛乳?」(妹と私は大の牛乳嫌い) オカン「ヨーグルトは今はやりの食べ物!ブルガリアはどっかあちゃらのへんの国の名前。そして牛乳ちゃう!!!」 という一連の会話を交わした記憶があるからだ。 健康志向の母は、