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「耐えられるDV」発言だけじゃなかった  -DV被害者を危険にさらす共同養育支援議連-

共同養育支援議員連盟の柴山昌彦会長による「耐えられるDV」発言に、驚きと批判の声が広がっています。そもそも、共同養育支援議連の存在を初めて知ったという方もいると思います。
そこで、この記事では、共同養育支援議連の主要メンバーを見ていきます。


嘉田由紀子(幹事):DVシェルターの場所を晒す

まずは、幹事の嘉田由紀子議員(無所属)。
前滋賀県知事だった嘉田議員は、共同親権運動の集会の場で、DVシェルターの所在地を晒す発言をしました。主催団体によってYouTubeにも公開され、滋賀県が「DV被害者を危険に晒す」と対応を求める事態となりました。

前滋賀県知事の嘉田由紀子参院議員(無所属、滋賀選挙区)が四月、親権を巡るオンラインの集会で、県内にある家庭内暴力(DV)被害者らの一時保護施設(シェルター)の所在地の特定につながる情報を明かしていたことが、関係者への取材で分かった。
 シェルターの所在地は被害者保護のため、施設を運営する自治体などが秘匿しており、発言は被害者を危険にさらす恐れがある。発言は一時、動画投稿サイトのユーチューブに掲載されて広く閲覧できる状態になっていた。県が嘉田氏の事務所に対応を求め、削除された。

秘匿DV保護施設の所在地に言及 嘉田由紀子氏、オンライン集会で(中日新聞2021年5月12日)

秘匿DV保護施設の所在地に言及 嘉田由紀子氏、オンライン集会で(中日新聞 2021年5月12日)
DV被害者シェルター所在地に動画で言及 嘉田由紀子議員が釈明(毎日新聞 2021年5月13日)
DVシェルター特定につながる情報 嘉田参院議員が発言(朝日新聞 2021年5月12日)
DVシェルター特定情報、動画で発言 嘉田参院議員(産経新聞 2021年5月13日)
嘉田議員、シェルター情報明かす DV被害者に危険及ぶと滋賀県(信濃毎日新聞 2021年5月13日)

これは、うっかり「口が滑ってしまった」という発言ではありません。共同親権運動の仲間内の中で、ニタニタと薄笑いを浮かべながらの発言でした。
問題の発言の直後、2021年5月13日の参議院法務委員会では、池田良子著『実子誘拐ビジネスの闇』を取り上げ、「社会的事実として重く、データも信頼が置ける書籍」と高く評価しています。
この本の第六章は「DVシェルターという名の拉致監禁施設」で、「DVシェルター金儲けの仕組み」「シェルター収容者=DV被害者という嘘」などの見出しが並んでいます。嘉田由紀子氏が、DVシェルターにどのような認識を持っているのかが推察されます。


梅村みずほ(事務局次長):AbemaTVで「虚偽DV」「連れ去り」発言

2022年2月4日、柴山昌彦議員が子連れ別居について「正当な理由がない限り未成年者略取誘拐罪にあたる」とTweet。この問題について、AbemaTVが「"子連れで逃げたら罪"に? DV被害家族をどう守るか&DV認定の範囲を議論」で取り上げました。

梅村みずほ氏
「特に共同養育支援議員連盟の中で問題になっているのは“子の連れ去り”で、ここには“虚偽DV”という問題も絡んでくる。日本が1994年に批准した『子どもの権利条約』の9条では“父母から分離されない権利”が謳われているし、やはり同意なく、いきなり子どもを連れ去るというのは問題があるし、連れ戻すことも含めて未成年者略取に当たると思う」。

駒崎弘樹氏
「全く違う。DVによって殺されそうだという時でさえ、取れる手段は逃げることしかない。それを委縮させるような発言をしてしまっただけでも、悪質だと言わざるを得ない。政治家がやるべきなのは、被害者を守れていない状況を変える法整備をすべきだ。そして“虚偽DV”の話をされたが、年に何件あるのか。そのエビデンスなく、DVを受けた方々は嘘をついているかもしれないとおっしゃっているのではないか。“虚偽いじめ”という言葉や、“虚偽パワハラ”という言葉があるだろうか。なぜDVだけ“虚偽DV”という言葉が出てきて、加害者を守るかのような政策を議論するのか

なお、梅村みずほ議員は、「子育て改革のための共同親権プロジェクト」に賛同する議員応援団のひとつです。この団体は、嘉田由紀子議員がDVシェルターの場所を晒す発言をYouTubeで拡散した団体です。

子育て改革のための共同親権プロジェクト「議員応援団」

三谷英弘(事務局長):「モラハラをDVと言うな」

続いて、事務局長の三谷英弘議員。
三谷議員は「共同生活を営むのは無理な程度のモラハラをDVと言うな」の発言で有名です。

また、Twitter上での言動が懸念されていた元棋士の橋本崇載氏について、「正直、事案の解決ができるならどういう手段でも良いと思います」と発言。橋本氏は、共同親権運動の広告塔として利用されたあげく、先日、元妻への名誉棄損の容疑で逮捕されました。


柴山昌彦(会長):DVの程度を精査する

「耐えられるDV」発言への批判が広がっていることを受け、柴山昌彦議員は以下のようにTweetしました。この発言に対し、引き続き、批判の声が相次いでいます。


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