別居後・離婚後に延々と続く、法的手段による嫌がらせ。同居親は、お金と時間を奪われるだけでなく、精神的にも削られていきます。
「家族法制の見直しに関する中間試案」への意見書から、リーガルハラスメント(濫用的な申立て)についての意見を取り上げます。
中間試案「濫用的な申立てを簡易に却下する仕組み」の検討
中間試案では、いわゆるリーガルハラスメントについて、簡易に却下する仕組みを検討すると述べています。
これに対して、ひとり親家庭・DV被害者支援の団体は、被害実態に触れながら、対策の必要性を訴えています。
DV加害者から次々と裁判を起こされ、終わりが見えない
NPO 法人 全国女性シェルターネット(2023年2月)
認定特定非営利活動法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ(2023年2月8日)
日弁連「日常生活の平穏が害され、子の最善の利益に反する状況を招く」
日本弁護士連合会は、「濫用的な申立てを簡易に却下する仕組み」に賛成する立場を示すものの、慎重論も併記しています。
「濫用的な申立ては現に子を監護する親に無用な手続への対応を強いることにより、日常生活の平穏が害され、子の最善の利益に反する状況を招くことにつながりかねない」との意見は、今まさに起きている現実についての現場感覚を反映しています。
日本弁護士連合会(2023年2月16日)
イギリスなどでは、離婚後のリーガルハラスメントについて、「ポストセパレーションアビューズ」(post-separation abuse)と呼んでいるようです。
同居親と子どもを過酷な状況に追い込む行為は、まさに「abuse」という言葉が実態に近いかもしれません。