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柴山昌彦議員「最高裁を呼んで質します」 ―離別後アビューズを後押しする共同養育支援議連

本日5月7日、自民党の柴山昌彦議員が「次回議連で最高裁判所を呼び、不当な連れ去りを警察に相談する事例が面会交流の制限に繋がることが事実か、事実なら国際的に不当な扱いでないか、公開の場で質します。」とツイートしました。
柴山議員の発言に対し、憲法76条「司法権の独立」との関係で問題を指摘する声が相次いでいます。

柴山議員の発言は、「柴山通達」を頼りに配偶者を刑事告訴した結果、不起訴→面会交流中止という事案が出て来ている、との指摘への引用リツイートです。

「信者」に期待を抱かせる柴山議員の手口

さらに元のツイートをたどってみると、本件は、「夫が"連れ去り"を主張して妻を刑事告訴したが、不起訴になった事例」です。
(さらに言えば、この別居親は、配偶者を「汚嫁さん」と呼称しています)。

一方、柴山議員は「不当な連れ去りを警察に相談する事例」と抽象化した表現を用いています。
「個別事案への介入という批判を回避する意図」、そして「後でどうにでも使える答弁を引き出せるようにする意図」によるものと推測されます。

恐らく、最高裁に対して、「不当な連れ去りを警察に相談する事例」などという表現で質問しても、一般的な回答しか得られないでしょう。
例えば、こんな答弁が予想されます。

「あくまで一般論としてのお答えになりますが、いわゆる"不当な連れ去り"について警察に相談したことをもって、面会交流の制限につながるものとは、私どもとしては認識してないところでございます。
しかしながら、個別の事案につきましては、個々の事情を鑑みて、各裁判所にて適切に審理・判断されているものと承知しております。」

妄想答弁(ありしん)

「空手形」だからこそ、「信者」は踊り続ける

しかし、柴山昌彦議員にとっては、何ら新規性・実効性のない答弁でも問題ありません。むしろ、「柴山文書」「柴山通達」に象徴されるように、実際の役に立たない文書だからこそ、警察の対応が従来と変わらないことに「信者」は強く憤り、その結果、柴山議員への期待がさらに高まるわけです。

与党・自民党の柴山昌彦議員は、「自転車操業」のように、「実績」をアピールし続ける必要があります。今国会での法案提出が絶望的になり、共同親権運動の一部は、批判の矛先を自民党に向けています。一方、共同親権問題で存在感を高めたい日本維新の会も、自民党を批判し続けており、共同養育支援議連もまとまりを欠いています。

共同養育支援議連が後押しする「離別後アビューズ」

一方で、見過ごしてはならないのは、柴山昌彦議員らの行動により、「子連れ別居」したDV被害者等への加害行為が促進されていることです。
「柴山文書」以降、配偶者を刑事告訴する運動が広がっています。

本日の沖縄タイムスで、憲法学者の木村草太さんが「離別後アビューズ」について言及しています。これは、すでに日本で起きていることであり、共同親権運動が「免罪符」として機能しています。

 欧米のDVの研究者たちは「別居後の虐待(post separation abuse)」に注意を促す。従来は、加害者と別居すれば、DVや虐待から離脱できると考えられてきた。しかし、近年の研究で、別居後も加害行為は継続し、別居をきっかけにエスカレートすることも多いことが分かってきた。面会交流や共同養育のための法的手続きや書面を通じて加害を行う、「監護ストーキング」や「書面虐待」の存在も指摘されている。

【木村草太の憲法の新手】(199)
共同養育の課題 望まぬ「協力」 規範が圧力 DV被害者の声 傾聴を
(沖縄タイムス 2023年5月7日)

さて、刑事告訴によって同居親に恐怖を与えた後に、円満な「面会交流」は実現するのでしょうか?
離別後アビューズを繰り返した果ての「共同養育」とは何でしょうか?

共同養育支援議連は、「もはや、親子断絶支援議連と言われても仕方あるまい」。
まさに、その通りではないでしょうか。

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