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【全文・資料】嘉田由紀子議員(3月3日 予算委員会)

3月3日、嘉田議員が今国会での法案提出を迫ったものの、岸田総理は「具体的な指示をすることは控えたい」と述べるにとどまり、法制審議会の審議を見守る姿勢を示した、と先日お知らせしました。
【速報】岸田総理「具体的な指示は控える」 ―嘉田由紀子議員「共同親権の法案提出の指示を」と要求|ありしん@共同親権反対です|note

この記事では、詳報として文字起こししたものを共有します。
なお、かだ由紀子議員のFacebookを参考にし、画像も転用させていただきました。質疑の動画は、参議院インターネット審議中継 をご覧ください。


【嘉田議員】
岸田総理が「日本の国難」として異次元の少子化政策に本気に乗り出したこと、遅きに失したとは思いますが、評価をさせていただきます。ただ、予算確保が課題です。そういう中で、今日、私は特別の財政措置なしに、総理の政治的決断による法律改正で、子育ての価値観を変える政策を二点、提案いたします。
時間が8分しかございませんので、まず結論から申し上げます。
ひとつは、男性の育児参画を進めるために「育児介護休業法」を「育児介護参画法」と名称をかえることです。勤労をよしとする価値観から、子育て参画に価値を置く意識変革をめざす法改正です。二点目は、男女がともに前向きに協力して子育てに関われるように、離婚後の単独親権を共同親権にかえる民法改正です。
(略)
(4:12:15より)
【嘉田議員】
知事時代にどうしてもできなかったことが民法改正でした。たとえ離婚をしても父母ともに前向きに関われるよう、民法の819条、単独親権を共同親権に変えることです。資料2をご覧ください。いま日本では婚姻家族の3組に一組が離婚をしています。離婚後のひとり親への手厚い支援という福祉政策も大事ですが、ひとり親という状態をできるだけ子どもへの悪影響を緩和するのが社会政策です。

資料2 離婚数の増大と片親ロスに直面する子ども数の増大

親の離婚に直面する子どもは、最新データで推測しますと毎年20万人です。2022年に産まれた子ども、80万人を切っています。つまり80分の20、4人に1人です。振り返ってみますと戦後間もなくのときには270万人、子どもは産まれていました。そのときの離婚は8万人です。270分の8、一クラスに1人。というようなことで、離婚の増大、これが子どもへの大きな負荷になっております。
内閣府さんに伺いますが、子どもの貧困率はひとり親とふたり親でどういう違いがあるでしょうか?

【内閣府 政策統括官】
子どもの貧困につきましては、厚生労働省の国民生活基礎調査、総務省の全国家計構造調査などにより算出されているところでございます。したがって、いろいろ数字があるところですが、例えば、2019年の全国家計構造調査においてOECD基準に準拠して算出された世帯主が65歳未満の場合の値について申し上げますと、大人2人以上と子どもの世帯の貧困率は6.7%であるのに対して、大人1人と子どもの世帯の貧困率は53.4%ということで高くなっていると承知しています。

【嘉田議員】
資料3を出しております。
単独親権下で、しかも親権確保をする9割以上が女性、女性の賃金水準が低い日本では、避けがたい社会的事実です。親による子ども虐待は、一方、大変悲しいことですが、子ども虐待の究極の悲劇は親による子ども虐待殺人です。厚生労働省さん、「子ども虐待による死亡事例」のデータを、家族形態別にお示しいただけますか。

資料3 世帯数別の子どもの貧困率

【厚生労働省 こども家庭局長】
厚生労働省の検証委員会の報告書におきまして、児童虐待による死亡事例の分析を行っていただいておりますが、これによりますと、心中以外の死亡事例にかかる家族形態について、平成17年以降令和2年度までの累積でございますけれども、まず一番目が実父母388件、全体の47.5%。次にひとり親が223件、全体の27.2%、この中には未婚のものが128件含まれております。三番目が内縁関係、66件、全体の8.1%。実父母のいずれかとその再婚相手が35件、全体の4.3%といった状況になってございます。

【嘉田議員】
資料4にそのデータ出しておりますが、児童のいる世帯数、2019年の国民生活基本調査で1122万世帯、一人親の世帯は72万世帯で約6.5%です。つまり6.5%のシェアのひとり親のところで、内縁もいれると35%の子ども殺人が起きてている。これは大変に深刻なデータだと思います。

資料4 家族形態別の親による子ども虐待(子ども殺人)

資料5をご覧下さいませ。先日2月24日、超党派の共同養育支援議連により、DV法の改正とあわせて共同親権の実現に必要な法案を一日もはやく国会に提出するよう決議書を斎藤法務大臣にお渡ししました。
日本の場合に離婚の9割が議離離婚、しかも養育費や親子交流の決めごとは不要、ハンコひとつで離婚ができる、世界中、先進国でこんな国はありません。共同親権に変えるための立法事実、必要性はいま見ましたたように、子どもの貧困と虐待被害の阻止です。「子どもの最善の利益」です。

資料5 共同養育支援議員連盟による法案の早期提出を求める決議書

ところが資料6をご覧ください。2月28日、東京新聞では「共同親権導入の民法改正案、今国会の提出見送りへ」とあります。東京新聞社に問い合わせました。この情報は法務省から得たということです。斎藤大臣には、その直前、2月24日に決議書を出したところです。その直後に「提出見送り」という指示を、斎藤大臣、法務官僚に出したのでしょうか。

資料6-1 『共同親権導入の民法改正案 今国会の提出見送りへ 法務省』(東京新聞)
資料6-2 『改正案見送り 共同親権割れる賛否 子の利益 答え出ず』(東京新聞)

【齋藤法務大臣】
まず父母の離婚後の親権制度のあり方につきましては、現在、法制審議会において調査・審議中でありまして、法案の提出時期は未定です。法案の提出時期について私が担当部局に対して何らかの指示をしたという事実は一切ございません。

【嘉田議員】
大臣が指示していないのに、法務官僚が勝手に記者レクをしたとしたら、公務員法違反ではありませんか。情報提供をした官僚の処分が必要ではないですか。東京新聞が先走りをしたとしたら、フェイクニュースではないですか。東京新聞社を法務省記者クラブ入室を禁止するほどの問題と思います。大臣、いかに思われますか。

【齋藤法務大臣】
報道のひとつひとつについてコメントすることは差し控えたいと思います。そのうえで一般論として申し上げれば、家族法制のあり方については、国民の関心も高い事項でありますので、丁寧かつ正確な報道がなされることが期待されると考えております。

【嘉田議員】
岸田総理、今国会で共同親権の実現に必要な法案を提出、斎藤法務大臣にご指示いただけますでしょうか?1年で20万人、一日で550人ものお子さんが貧困や虐待で苦しんでいるんです。まさにここは総理大臣の政治的決断、何としてもお願いしたいと思います。
また資料7には、共同養育計画づくりを義務化したときの予算提案を出してあります。今日は時間がありませんので、次回に回させていただきます。総理大臣のご決意をお願いいたします。

資料7 共同親権に伴う共同養育計画作成・公正証書の義務化に伴う予算措置案

【岸田総理大臣】
父母の離婚後の親権制度のあり方について議論を重ねることは重要であると認識しています。
この課題については、先ほど法務大臣からもありましたように、法務審議会(ママ)における調査・審議が進められていると承知をしており、その検討のあり方に具体的な指示をすることは控えたいと思いますが、引き続き、法制審議会における充実した調査・審議がスピード感をもって行われることを期待したいと思います。

【嘉田議員】
ぜひ前向きにお願いします。子どもたちが待っております。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

ところで、嘉田議員のFacebookには「嘉田個人が文字おこしをした未定稿」と示されていましたが、実態は、嘉田議員の手持ち原稿からのコピペと思われます。文中に「内閣府から資料3のデータを示してもらう」などのメモが残っています。
また、当日、「それだけひとり母親が困難な子育てに直面させられているということのあかしといえます」を読み飛ばしていたたこともわかりました。「ひとり親家庭に問題がある」かのように印象づけたい嘉田議員の意識を象徴しているように思います。

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