0→1を世に送り届けるために必要なのは「覇気」
こんにちは。ライフキャリアコーチ・臨床心理士のAriです。
この記事では、才能を世の中に送り届けるために必要な「覇気」について書きます。
最近、私が引っ越してきた街は、予想外に文化度の高い街でした。
どちらかというと静かな住宅地で昔ながらの商店街もあります。
でも一歩奥の道に入ると、ヨーロッパの近代美術館で展示、所属される程のポーランドのアーティストの作品が並ぶ小さなギャラリーや、入手困難な人気ガラス作家の作品を人知れず取り扱うギャラリー&セレクトショップ、美味しいワインとチーズを立ち飲みできるバーがあります。
今日は夏至のお祭りで、特別に芸術大学の学生の作品を店舗で展示販売するイベントがあり、いつもはお会いすることのない、作品を創り出す作家たちと話をする機会を得ました。
私は0→1を創り出すひとの役に立ちたいと思っているので、彼らと話せることをとても楽しみにしていました。
一人の美しい若い女性がいました。
その方は彫刻科の学生で、流木や木塊を彫り出した動物や、粘土を成形し彫り出した大きな仮面の作品を展示していました。
繊細さと鬼気迫る強さを放つ作品を生み出す彼女から作品の説明をして頂き、その後で「創作する上で困ることはありますか?」と尋ねました。
彼女は「沢山ありますよ」と笑った後に、ひと呼吸おいて「私の場合は時間ですね」と仰いました。
彼女はコンセプトが浮かぶと、素材を前に、頭の中で執拗なまでに作品のイメージを作り上げます。
その過程で沢山のアイデアを棄却し、練り直します。
あまりにもその過程に時間がかかりすぎるので、締め切りのある作品であっても数日前に初めて手を動かし始めるということさえあるそうです。
周囲の方によると、彼女は一度集中すると食べることも水を飲むことも忘れて集中して、一気に創り上げるそうです。
普段の親しみやすい彼女と違い、その集中力と自分の作品を必ず実現させようという信念やエネルギーは他者を寄せ付けないほどの気迫だそう。
始まりは木の塊。
そこに彼女が「何か」を見いだしたときから「戦い」とも言える0→1への道が始まります。
そこに素材との対話があり、頭の中での終わらぬシュミレーションがあり、最後に大胆に、かつ丁寧に一気に彫りあげるという作業があるのです。
時間のことでは困っているようですが、彼女は自分の創作過程や作品に一切の迷いも持っていません。
簡単ではない過程を底支えし、粘り強く想いを世に送り出しているのは単なる勢いではありません。
それは覇気。
作品について話す彼女の凛とした佇まいからは覇気を感じます。
私は久しぶりに覇気のあるひとをみました。
彼女の覇気はどこからきているのだろう?そんな関心を持ちながら、作品もさることながら、それを生み出す彼女の眩しい覇気に心が動いた1日でした。