なにくそっ
※この文章は僕のアメブロ『誇りを失った豚は、喰われるしかない。』に2009年10月01日に投稿した記事に大幅な加筆訂正を施したものです。
これはかなり前の話になりますが、NHKの『歴史秘話 ヒストリア』という番組で、講道館柔道の創始者である嘉納治五郎先生の特集が組まれておりました。
番組内容によると、嘉納治五郎先生は幼少時から大変なインテリでありましたが、同級生たちからかねてよりいじめられており、何とか「強くなりたい」一心で接骨医(当時の接骨医は古流柔術の心得がある人が多かった)を一軒一軒たずね回って柔術の師を見つけ、それはそれはハードな修行に励んだのだそうでありました。
番組の途中では当時、嘉納治五郎先生が着ていた稽古着が映し出されていて、それはもうボロボロで加納治五郎先生がいかに壮絶な稽古をしていたという証でもあるのでした。
後に教育者とても大成した嘉納治五郎先生ははいかなるときでも週一回は自ら教壇にたって講義をしていたそうでありました。
そのときにしていたのが「なにくそっ」という話でありまして、嘉納治五郎先生に曰く、
「人生はなによりも、『なにくそっ!』という精神が必要だ。」
という教えを徹頭徹尾なされていたそうでありました。
弟子のひとりであり、「強盗慶太」の異名を持ち、実業家で東京急行電鉄(東急)グループの事実上の創業者である五島慶太氏に言わせると、
「嘉納先生は終始それしか話されなかった。」
そうでありました。僕は先月、25歳まで関わっていたとある武道団体と訣別しました。現在ではそれから相当の月日が経ってしまいましたが、当時の人間とは二度と会うことはないにせよ、元気でやっていてほしいと思っております。ただ、ひと伝いに
「キミの事を相当バカにしているヤツがいた。」
とある日そう聞かされたことがありました。
それを聞いた当初の僕は笑って流したのですが、心の中では
「なにくそっ、こんなヤツらに負けてたまるかよ!」
と一方では強く思っておりまして、もっというなればかそれだけが、その思いだけが現在の僕を支えているといっても過言ではないでしょう。
僕は幼少時に柔道をかじり、すぐにやめてしまったヘタレでありますし、実際にお会いしたことはもちろんない訳でありますが、嘉納治五郎先生、ありがとうございました。先生のおかげで僕はまた、立ち上がっていけそうです。改めて文章を書き直して、その思いを強くいたしました。
●参考資料
Webサイト
・『歴史秘話ヒストリア - NHK - NHKオンライン』
https://www.nhk.or.jp/historia/backnumber/18.html