実写版リトル・マーメイドについて、アリエルオタクが思うこと

私はアリエルが大好き。
幼稚園の頃初めて観たビデオでは声の美しさにうっとりしたし(当時は吹き替えで観てた。でも声を奪われる時の歌声はジュディ・ベンソンの声のままで、声違うなーと思ってた笑)、
大学受験を終えてディズニーシーに行った時、スリーピーホエールショップで流れてたリトル・マーメイドの映画に心が浄化されて、アリエルオタクになった。
人魚になりたくてマーメイディング(人魚のヒレをつけて泳ぐマリンスポーツ)の資格を取ったり、初めてのディズニーハロウィンはもちろんアリエルの仮装。エリック王子と陸でデートするときの、青いワンピースね。
部屋もアリエルでいっぱい。アリエルを連想させるようなラベンダーとミントの色合いのアクセサリーも大好き。
アリエル、だいすき!

話は変わって、来たる6月9日に実写版リトル・マーメイドが日本でも劇場で公開されます。
基本的に実写はあまり好きではなくて、なんかアニメより好きかも!と感じたのは美女と野獣くらいかな。なんか、ディズニーに限らず実写に関してはどうしたってもやもやが多いもので。黒執事のシエルを女優さんが演じてたのは忘れられない。まじでディズニー関係ないね。

で、さっき遅ればせながら実写版 Part of your worldの映像をYouTubeで観たところ、もやもやが止まらなくなってしまい……今これを書いています。

まず、魚がキモい(すみません)。
複数の亀が押し合いへし合いこちらを見てるの、水族館で謎の圧迫感を覚えてそわそわする系の私としては恐怖を感じる。なんか画面が生臭い。
フランダーが!ああ!ひどい!
セバスチャンも!!

あの……まず……
怖い~、的な反応があるだろうことを全く気にしないのもどうなんだろう。ディズニーなら子どもも観るでしょ。大人だって子どもの頃観てたんだから、イメージってもんがあるんだよ。
蝶だって遠目で見てたら「わぁ綺麗」でいいかもしれないけど、近くで見たらジャポニカ学習帳の表紙から排除されるくらいにはキモいじゃん。蝶が悪いんじゃなくて、そう思う人間が観客の中に一定数いるっていうのはエンターテイメント作品を作る上で把握してよさそうなものだけど。
なんか、愛と根拠を感じない。あのキャラクターデザインに。
愛を感じれば観てるうちに印象が変わるだろうけど、なんか、「リアル路線やで、びっくりした?笑」みたいな意図しか感じない。
アリエルにぎゅーっとハグされてむちむちニコニコしてるフランダーを思うと、泣けてくる。ディズニーランドのおみやげ売り場で、もっちりと佇んで手に取られるのを待ってるフランダーぬいが、「実写は怖かったけどね笑」とか言われるのを見たくない(そこまで心配するオタク)。
サメから逃げる途中で穴に詰まっちゃうフランダーだから推せるんだよ……

オークワフィナのファンなので、スカットルの声は少し聞きたい……かな……?
ディズニーじゃないけどオーシャンズ8の役はすごくよかったし、ラーヤと龍の王国は泣いたなあ……あんなに泣くと思わなくて、最後ロキソニン飲んだもんなあ……(泣きすぎて頭痛くなった)。

アリエルのキャスティングについても、色々と話されていますね。
ティンカーベルやブルーフェアリーなど、実写化に際して有色人種の女優さんが起用される傾向に関しては、人種差別問題を含めた意見交換がされてきたと思います。
世界の流れとして、人種や宗教、性別など、レッテルとなりうる全てのことを各個人が自由に選択をしていくようになるのは間違いないと思うし、そうなるべきだと思う。世界史を振り返ると、それらを巡って人間はあまりにも多くの血を流してきたし、それを悔いるなら、差別や決めつけは今すぐやめるべき。そんなのこれからの時代あたりまえ。分かんない人がいたら、時代の空気読めなすぎって感じ。
だからこそ、既存のキャラクターを安易に有色人種に代えることで「差別反対」のポジションを演出できると思ってる、と解釈できるような振る舞いは避けるべきではないでしょうか。
差別反対。白人だけが重んじられているかのような空気感はおかしい、と主張したいなら、それをテーマとした新しい作品を立ち上げてほしい。既存のキャラクターを、安易に使わないでほしい。そのキャラクターとの思い出が、ひとりひとりの中にあるんです。
キャラクターにだって、命がある。スクリーンデビューをし、今日までたくさんの人の心と繋がって勇気づけてきた、この世界の住人だと思う。
生きてる人間に肌や髪の色を変えるよう強要できないのと同じように、キャラクターも人間として扱ってほしい。彼らを大切に思ってる、生きた人間がたくさんいるんだから。
「『白人の人魚を黒人が演じるのはおかしい』ってなんだ、アリエル人間じゃないから関係はずなのに」と書いている記者がいて、はっきり言ってブチ切れてしまった。
勇気を振り絞って、声より故郷より愛を選んで陸に上がり、人間になるまでの物語なんだよ!人間じゃないとか、簡単に言うな!!
こういう訳分かんないことを大好きなキャラクターが言われるのを見るくらいなら、実写版とかいらないんだよ。

大好きなディズニー。今までのアリエルとの思い出をくれたのも他ならぬディズニーだから、私がどうこう言うのもあれかなと思う。
違う形のいきものとして生まれた動物たちが互いに尊重して共存していく姿を描いたズートピアや、敵対し合う人間が信頼を交わすようになる過程が見れるラーヤとか、素晴らしい映画を作ってきたディズニーなんだから、差別に賛成してるなんて思ってないよ。もとから。
変なことしないでほしい。

まあでも、不朽の名作のキャラクターのあり方に関してまで、「確かに白人至上主義的な空気感じるかも」って感じてメスを入れちゃうその敏感なセンサーと謙虚さこそ、発信者に必要なものなのかも。
自省しなくなったら人間、視野が狭くなって成長もしなくなるだろうし。

時代の過渡期にいるんだなあ、って感じますね。


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