見出し画像

「2023年IBBYバリアフリー児童図書」の日本からのノミネート作品が決定しました。

前回に引き続き、今回もJBBYのバリアフリー児童図書の選考委員をさせていただきました。
色々なご意見があると思いますが……。
今回は十冊。公式のリンク先で御覧ください。

なんで梨屋が委員の一人にに入ってるのかと言われそう……。
『きみの存在を意識する』を書いて、ディスグラフィアの当事者的なもので声がかかったのかもしれないけど、社会福祉士でもあるのでその視点でも関われるなあと思ったから。
ふだんからバリアフリーの本やアクセシブルなものについて意識して情報収集してきたので、前回の、二年前の選考のときよりは知識が増えました(当社比)。
バリアフリーの価値だけでなく、子どもの本としての価値でも判断しなくてはならないので、両方備えている本というのはなかなか難しい。
そもそも、障害のある子どもたちの読書を支援するならそれはその子の特性に合わせて個別に対応するものなので、だれにとってもバリアフリーになる本というのは存在しないのではないか。だけどあえて出版という形で作る意義や必要性とかもあるんだろうな……。
二回ともコロナ禍の選考会で、オンラインになってしまっているので時間も限られ、最低限必要な話ししかできない。本を手に取りながら好きなページを見せてざっくばらんに思いを話したり、休憩時間にみなさんの反応を見るとかの機会もないので、今後はお茶でも飲みながら雑談できるように、はやくコロナが収まってほしいと思います。

ところで。苦労して一生懸命作ったのにノミネートされなかったと、別の選考委員の方のSNSに書き込みがあったのをたまたま見てしまいました。
一生懸命作ったかどうかや苦労したかどうかは、本の内容の価値とは違うので、選考対象ではありません。
選考委員のほうも苦労して一生懸命選考しているので、努力が報われないことで恨まれたらかなわんなあ……と思います。
委員のところに自動で本が届くわけでないので、候補作探しや選考対象に出た本は、各自で入手しなくてはならなくて、名もなき手間も含めて、いろいろたいへんでした。(なぜ選ばれなかったのかを説明する公式の場はないのですよね)

バリアフリー図書が普及したり、バリアフリーへの理解がすすんで、あたりまえのものにこそ障壁があって、それを取り除かないと困る人もいるんだということを、たくさんのかたがふつーに意識できるようになって欲しいと思っています。

支えられたい……。m(_ _)m