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#小説
2016年に児童書編集者から「わかるけど収録は無理」といわれて未収録にした梨屋アリエYA短編☆『ふつうにやさしいまじめないい子』
ふつうにやさしいまじめないい子 梨屋アリエ 目覚めると、体中が痛かった。 起き上がると、ぼくは死んでいた。ホラー映画のミイラのように包帯を巻かれて、たぶん傷だらけで横たわっていた。ちなみに「起き上がった」と思っていたのは、ぼくの意識だ。 ぼくは自殺をしたんだ。どうやらちゃんと死ねたらしい。 待てよ? 死んだら「ぼく」という意識は消滅するものだと思っていた。まさかこんなふうに残るだなんて。 肝心の、死ぬ直前の記憶がない。 でも、死んだのは本当らしい。ぼくは棺桶に入れられた
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