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梨屋アリエの本と作品

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梨屋アリエの出版物を紹介します
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#小説

『エリーゼさんをさがして』の作者の音声コメントつき

再掲です。

『きみの存在を意識する』の読者さんは星くんの存在を意識していないかもしれない……ということで再読要請だ

『きみの存在を意識する』という本の中に、星くんという男の子が出てくるのです。 小学低学年の時はアホ、もとい、年相応のなんも考えてない陽気な男子で、そういう男子が好きな女子には一方的に好かれていましたが眼中に入らず。無邪気に好きな女の子に絡もうとして、その子から不意打ちのアッパーカットをされてのされて以来、空手道場に通って、そこそこ上達していくのです。言動も落ち着きました。 しかし二卵性双生児というわりにきょうだいともども学校では影が薄く(双子だと目立たないようにしてそうなった

2016年に児童書編集者から「わかるけど収録は無理」といわれて未収録にした梨屋アリエYA短編☆『ふつうにやさしいまじめないい子』

ふつうにやさしいまじめないい子   梨屋アリエ 目覚めると、体中が痛かった。 起き上がると、ぼくは死んでいた。ホラー映画のミイラのように包帯を巻かれて、たぶん傷だらけで横たわっていた。ちなみに「起き上がった」と思っていたのは、ぼくの意識だ。 ぼくは自殺をしたんだ。どうやらちゃんと死ねたらしい。 待てよ? 死んだら「ぼく」という意識は消滅するものだと思っていた。まさかこんなふうに残るだなんて。 肝心の、死ぬ直前の記憶がない。 でも、死んだのは本当らしい。ぼくは棺桶に入れられた

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