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本棚:『ふちなしのかがみ』

子どもの頃から怖い話が苦手で「これ、怖いんだろうなぁ。でも、短編集だから、長引く怖さではないかな?」と思いながら手に取りました。
私にとって一番怖かったのは、はじめの作品『踊り場の花子』です。小学生の頃、放課後の誰もいないトイレに行くのは怖かったことを思い出しました。今の小学校のトイレがどんな感じか分かりませんが、昔のトイレは暗くて長居をするような場所ではなかったと思います。それが今だと温便座に音姫、自動で洗浄とか、こんなにきれいなら今はもう花子さんいないんじゃないかな?と思ったことが何度かあります。
そして、すっかり忘れていた「こっくりさん」。何度かやったことがありますが、呪われたらどうしよう…とか思ったっけ。あれは、友達が動かしていたのかしら…。「紫の鏡」という言葉を二十歳まで覚えていると…なんていうのもあったけど、二十歳はもうだいぶ前に過ぎました。
最後のおはなし『八月の天変地異』では、学校に行きたくない時(歌のテストがあるときとか、苦手な体育の授業があるときとか)、火事になればいいのに、とか、地震が起きればいいのに、とか、恐ろしいことを安易に願っていたことを思い出しました。今はさすがにそんなことは思わないですし、「あぁ、今日はちょっとだるいなぁ」と思う程度なので、幸せなのでしょう。


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