誕生3(長女の場合)
分娩室。そこは神々しく輝く場所。
って、さっきまでここに居たけどね。
とりあえず、あの足を広げるSM器具みたいな椅子に 這い上がるgorio。 でもホントに人手が足りないみたいで けっこう長いことほっとかれる。
しばらくすると助産師さんがやってきて、 「陣痛が来たタイミングでいきんどいて」と言い残し、去る。 そりゃ助産師さんは慣れてるからいいけどさ。
仕方ないからモニターを見ながら 数値が上がってきたら「来たよー」と教えてあげる。 教えるまでもなく痛いんだろうけど。
助産師さん曰く、gorioのいきみはかなりイケてるらしい。 2、3回ほどいきんだところでエラい助産師さん登場。
あ、あなたが!僕はさっきまで あなたのことをてっきりお掃除おばさんだと思ってました! ごめんなさい!そしてよろしくお願いします!
「もう頭が見えてきてるよ~」
おもむろに色々なオペの道具を用意する助産師さん。 そして頭上のライトを・・・ライトを・・・
( ゚д゚) ・・・
助産師さん、背が低すぎて届かない!
「旦那さん!旦那さん!これ降ろして!」
手招きする助産師さん。
そりゃ僕はデカいですからね、お手伝いしますよ。 ほい。
と、そのとき、僕は見てしまいました。 基本的に立ち会いは妊婦の頭側に立つので詳細は見えないことになってたのですが・・・ ライトを降ろしに行ったとき、見てしまったのです。 命の現場を!
(;゚д゚) ・・・?
これは・・・・・・
・・・・・砂肝!?
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ここからはホントに早かった。
昼間診察した医師が助っ人で登場し、 一目現場を見ると 「初産?すごい!順調だね~」と絶賛する。 それでもやはり会陰切開はせざるをえず、 すこーしだけハサミを入れる。 その後、おそらく2回ほどgorioが踏ん張ると・・・
すぽーーーーん。
「ふぎゃあぁぁ、ふぎゃあぁぁ」
で、出た! なんか紫色の物体が!
22時31分、分娩室に入って約30分、 gorioは、もつおが出た、本当にその瞬間に「かわいい!」と叫び涙を両目から噴出させました。
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人が生命の危機にさらされたときに遭遇する現象として 「走馬灯のように・・・」という表現をよく耳にしますが、 それは生命の誕生の瞬間にも起こるものでした。
あの紫色で、後頭部がナメック星人みたいに歪んだ 生き物が出てきた瞬間、この10ヶ月のことが 頭を駆け巡ったわけです。これはすごい体験でした。
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gorioは後産で巨大なレバーのような胎盤を捻り出し、 その後切開した部分を縫合。 僕は新生児の処置に立合う。
看護師が「目、二重みたいですねえ」とのたまう。
またまたあ。 父親も母親もご覧の通り、見事なまでの一重ですよ。 そんなことおこるはずが・・・
( ゚д゚) ・・・
二重だ!すげえ! おめめぱっちりの女の子だ! 奇跡っておこるんだねえ。 もつお(仮)よ、いったいどっちに似たんだ?
遺伝子のミステリー。 2985gのセクシーレディ。 「セクシー」とか言ってる時点で親バカ決定。
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なんにしても、入院から出産まで5時間半て、安産だよなあ。 昨日、安産祈願でどら焼き食べたのが良かったか。(「あんこをサンド」で「安産」。うん、苦しい)。
取り上げてくれた助産師さんは 「3人目みたいだったよー」だって。 gorio、あんたは妊婦界のイチローだな。
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それでもやっぱり夫婦ともどもくたびれたみたいで、 病室にたどりつくと、ベッドを半分こにして2人で爆睡。
夜中3時頃、助産師さんに叩き起こされる。 「ここは男子禁制ですよ!」と怒られて、 もつお(仮)の出産劇は幕を閉じたのでした。
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