組織の「魔物」とリーダーシップ
大きな企業の変革が困難な理由。
ひとが集まれば集まるほど恐れの澱がその組織の中に溜まり、やがて人格を持ち始める。
例えば、2~3人なら開示しあって澱にせずにすむ恐れが、ひとが増えるほどに「『誰か』が『何か』不満を言うといけない」「『もし』、『何か』起きたら大変だから」と架空の恐れの澱がどんどん溜まる。
それら恐れの対応策を作り、仕組み化するのは良いが、こまめにアップデートせずにいると、やがてその仕組みに綿密に編み込まれた人々の恐れが生き物化し、組織に住む魔物になる。
人々は、実体のない魔物にびくびくし、自分たちが作った仕組みに飼い慣らされ、仕組みの門番は、自分の言葉を話さず魔物の声で語る。自分の思考が乗っ取られているの。
数十人単位の組織ならともかく、何千人、何万人規模となると、かなり手強い。
しかし、手はあると考える。
まずは、自分の担当する小さな数名〜数十名の組織だけは恐れの澱がたまらぬように保つこと。
そのために、なにより自分がメンバーの前で素直に正直にいることで、自身の中に澱を溜め込まないこと。
この場合、中途半端な素直さ・正直さは軽率であり(それはエゴリーダー)、自分の恐れの奥にある真摯な願いを思慮深く掘り下げ、愛から立ち上がる素直な正直な言動を起こすことが大切(コアリーダー)。
当社(株式会社Corelead)のリーダーシップ開発のトレーニング項目の一つである「オープンネス」。
思慮深い姿勢と、なにより、リーダーの勇気を求められ、最もリーダーたちが苦しむフェーズだが、それを乗り越えると、大きな前向きなインパクトをチームに与える。
昨日は、大企業の管理職ではなく、中小企業の社長・役員らリーダー対象のリーダーシップ開発トレーニングの日だった。
半年かけてじっくりリーダーたちの変容をサポートしているけれど、中小企業にも、魔物は住む。恐れの澱は溜まっている。
そのリーダーひとりひとりがオープンネスへのチャレンジをし続け、抱えた澱を陽の光の下へ出すことで、澱は癒され、消えてゆくのを観察している。
すると、仕組みに編み込まれた恐れの魔物が虚構であることを見抜き、仕組みはアップデートされてゆく。
その度に、じわじわと変化してゆく組織を感じる。
大きな企業だと、仕組みそのものが何重にも組み合わさって手がかかるけど、規模が小さいと、大きな企業より変化はやっぱり早い。トップが一緒に研修を受けている点も大きい。
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