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≪読んだ本≫ 吉原毅『信用金庫の力』(岩波ブックレット)

吉原毅さん(城南信用金庫 前・理事長)の書かれた『信用金庫の力』は、地域の絆を守り、産業を生むための視角を与えてくれる本だと思います。

■書籍HP

https://www.iwanami.co.jp/moreinfo/2708500/top.html


信用金庫が、1900年(明治33年)の産業組合法によって出来た組織で、農協・生協と同根である、という組織の性格によるところも大きいと思いますが、金銭の暴走について強い危惧感が示されています。

「貸すも親切、貸さぬも親切」「お金は麻薬」といった言葉や、「お金は人を孤独にし、道徳や倫理を崩壊させる」「お金は時に人の心を狂わせ暴走させる」「金融機関の使命はお金を健全にコントロールすること」「健全なコミュニティの中でこそ健全なマネーが流れる」などの著者の持論は、人財・地域資源・資金のバランスに悩む人にとっては導きの星になるのではないでしょうか?

一部の主張(エネルギー問題など)については、私の個人的な意見として俄かには同意しがたいと思う処がありました。しかし:

かつて、弘法大師(空海)は 「異生羝羊心」は人間の精神の発達段階の一番の初歩(まったく発達していない段階)と説きました。金銭にあくせくする姿は、正にこの状態なのでしょうね。

いろいろな形で、本書の問題提起を踏まえた議論ができるといいな、と思いました。

(ご参考) 吉原毅 名言集

http://bit.ly/1tY3TAB

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