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【展覧会レポート】遠距離現在 Universal/Remote

展覧会の概要

「遠距離現在 Universal/Remote」は、コロナ禍の3年間を振り返り、その時期に感じた「遠さ」の感覚を現代美術を通じて再評価する展覧会だ。この展示は、物理的な「遠さ」や社会的な隔たり、そしてその克服をテーマとしている。

開催情報

  • 会場:国立新美術館 企画展示室1E

  • 期間:2024年3月6日(水)~6月3日(月)

  • 開館時間:10:00-18:00(金・土曜日は20:00まで)

展覧会のテーマ

パンデミック中、社会的距離や国境の閉鎖、物流の停滞などにより「遠さ」の概念が日常に大きく影響した。リモートワークや入国制限、物流の停滞がこの「遠さ」を強調したが、パンデミックが沈静化すると、その感覚は薄れてきた。この展覧会は、そうした「遠さ」を記憶し、再認識することを目的としている。

展示の構成

展示室は9つの部屋に分かれており、それぞれが「遠さ」に関連するテーマを探求する作品が展示されている。動画作品が多く、所要時間は1時間半程度だ。

井田大介 - 《誰が為に鐘は鳴る》

ガスバーナーの上を飛ぶ紙飛行機の映像作品。炎の危険性とそれに対する脆弱性を示し、観る者に深く考えさせる。

最初の展示は、ブルーを基調としたインスタレーション。壁には「BELANCIEGE」のロゴが散りばめられ、中央にはスクリーンが設置されている。

黄色と緑を基調とした絵画。巨大な樹木が描かれ、影が印象的に表現されている。

壁と床が無数の写真で覆われたフォトモザイクの展示。来場者は写真の海の中を歩き回り、個々の写真が織り成す大きな物語を体感することができる。

評論

欧米の作品からは強い印象を受けるが、日本の作品は優しい印象がある。展示されている作品は、ビジュアルやアウトプットだけでは何を表現しているかが分かりにくく、キャプションを読んでやっと理解できるものが多い。美しさとは無縁で、直接的な作品が多いと感じた。
例えば、青い部屋の作品では、服と政治のつながりがよくわからなかった。作品のコンセプトは重視されているが、やや浅いと感じることも多かった。また、動画作品が多く、鑑賞するのに時間がかかる点も気になった。
展覧会を説明するデジタルルーフレットは非常に作り込まれており、子供でも読みやすい。レイアウトや説明もわかりやすく、参考になる部分が多い。
総じて、「遠さ」の概念を再認識させるという試みは評価できるが、表現方法や作品の選定には改善の余地があると感じた。観客にとって分かりやすい展示や説明が求められるのではないだろうか。

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