一日の終わりに電話をする約束をした日。 一日の嫌なこと全てが、これをクリアすればあの人の声が聞けるんだと思って頑張れたりした。 そんな日に限って焦らすような呼出音がいつまでも鳴る。 もどかしい気持ちを抱えつつ繋がる瞬間を今か今かと、どきどきしながら待っている。 でもその人の声は一向に聞こえる気配がなく、 楽しみにしていたのは自分だけなのかと悲しくなる。 もしかしたらまたかかってくるかもしれない。 そんなことを思ったりしてみたり。 まだ5分も経っていないのに、何度も時計を見
青春とよべる青春を過ごせなかった学生時代だった。 窓際の席になると風で揺れるカーテンが当たる 退屈な午後の眠たい授業 ノートの端をちぎってコソコソとする交換メモ 理由もなく衝動的に飛び出せるのも 今日も挨拶できたと、毎日当たり前のように好きな人に話しかけるチャンスがある事も そしてまたそれで1日頑張れてしまう事も 全てが短くて貴重な学生にしか体験できない事だと気付いたのは、学生を終えてからだった。 短いスカートや、色のついたリップ 夕方のファストフードや、汗と土