こどものころ
毎朝6時にぱっちりと目が覚め、
夜は死んだようにぐっすり眠った。
学校までの道のりは長く、
階段は壁のようで、
建物は今よりももっと大きくみえた。
横断歩道は白い線しか踏んじゃいけなくて、
おふろには時々ワニがいて、
怖い話のあとはトイレの黒い点から目が離せなかった。
背伸びしてでも見たいところがたくさんあって、
恐る恐るでも触ってみたいことがたくさんあって、
いつも手足は汚れていた。
些細なことで友達とけんかして、
すぐに絶交して、
少したって「また友達になれる?」と言うのはとても勇気が必要だった。
お母さんの存在は絶対で、
喜んでくれたら嬉しかったし、
怒られているときは息ができなかった。
なんでも自分で好きにできるおとながうらやましくって
「いつかお姉さんになったらね」と言われることがたくさんあって、
おとなになるのが待ちきれなかった。
私は今、どれくらいこどものままだろうか。
私は今、どれくらいおとなになったのだろうか。
私は今、どれくらいこどものままでいたいのだろうか。
私は今、どれくらいおとなになれただろうか。
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