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19.母親失格!私は人間以下!

 子どもたちが連れていかれてしまった日、すごく印象に残っていることがあります。ずっと義父が震えていたのです。小さくなって肩を震わせて、ずっとうつむいていたんです。そんな義父が最後の最後、聞いたこともないような大きな声でこんなことを言ったのです。「犬でも母親は子犬に慕われるのに、お前は子どもたちに全く慕われていない!」

「お前は母親失格だ!人間以下だ!」

と。義父はふだんとても物静かな人だったので、大きな声を出したことにもびっくりしたし、そんなことを言われるとは思ってもみなかったので、結構ショックでした。

 そして、これはあとから聞いたことなのですが、夫と私と義母が外に飛び出して行った後、とてもとても小さな消え入るような声で義父は「本当はこんなことしたくなかった」と言っていたそうです。

「母親失格!人間以下!」の言葉はしばらく私の心に深く突き刺さっていましたが、のちに小学校のころからの親友に「私は人間じゃないらしい・・・涙」って話をした時に、「ナリちゃんとナリちゃんのご両親を精神的に追い詰めてショックを与えるのが目的だったんじゃない?」「あとさ、もしかして犬以下って言うつもりだったんじゃないかな?セリフ間違えちゃったんじゃない?」と言われました。

「人間以下ってことはギリギリ人間だから大丈夫♪」


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