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【感想】『コンフィデンスマンJP プリンセス編』 | 安定安心のおもしろさ

 コロナ禍で敬遠していた映画館も、なんとなく自分も妻も「大丈夫かな?」って思えるようになった。ということで、遅れてばせながら映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』を観てきた。

 映画の前作を観たのが、結婚式が落ち着いたときでよく覚えているのだが、もう1年以上経つことが驚き。 

 前作の主題歌、Official髭男dismの『Pretender』なんか自分のなかでかなり新しめの曲!っていうイメージが強いのに、それももう1年前の曲って考えると流行の代謝が遅いおじさん化も着々と進んでることを実感。

 以降、映画の感想に入ってきます。物語の核心に迫るようなネタバレは避けますが、少し中身に触れます。気になる方はご注意ください。

あらすじ

 世界有数の大富豪フウ家の当主レイモンド・フウが亡くなった。
遺産を巡り火花を散らしていたブリジット、クリストファー、アンドリューの3姉弟の前で執事トニーが発表した相続人は、誰もその存在を知らない隠し子“ミシェル・フウ”だった。
 ミシェル捜しが続く中、10兆円とも言われる遺産を狙い、我こそはミシェルと世界中から詐欺師たちが“伝説の島”ランカウイ島に大集合!
そして、ダー子、ボクちゃん、リチャードの3人も、フウ家に入り込み、華麗に超絶大胆にコンゲームを仕掛け始める…はずが、百戦錬磨のコンフィデンスマン・ダー子たちに訪れる最大の危機!
 誰がフウ家の当主の座を射止めるのか!?世界を巻き込む史上最大の騙し合いが始まる!!
ー公式サイトより

安定のおもしろさ

 まず結論として、今回もおもしろかった。前作の感想でも書いたけれど、海外ロケ、豪華ゲスト演じる多くの登場人物が、映画の要素として盛りに盛られているにも関わらず、一切消化不良のないまとまりある脚本はさすが。

 TVドラマの映画版はイマイチ……という心配は、今後本シリーズではいらないかもしれない。シリーズ第3弾「英雄編」がすでに制作決定しているのもうれしい。

 プライベートでは世間をだいぶ騒がせた(苦笑)、ボクちゃんこと東出昌大さん降板の噂もあったけれど、今回あらためてボクちゃんのいない『コンフィデンスマンJP』はありえないなと思った。

 どんなにプライベートではクズだろうと、あの世界には、詐欺師だろうと真に心清らかなボクちゃんが必要だよ。うん。

 前作映画のキャラクターが前作で使い捨てでなく、今回もしっかり活躍してくれてるのもうれしかった。

 一方で、それ故に悲しかったのが三浦春馬さんのシーン。ジェシーにもう会えないんだと思うと、寂しい気持ちになった。

騙しの爽快さは前作のほうが上だけど

 今作も作中のターゲット、そして視聴者も多分騙される。前作に続き、どこまでがダー子たちの手のひらで、どこまでが想定外のトラブルなのかをいい塩梅でハラハラさせてくれる。

 物語終盤で解答を提示されたときの、爽快感は前作のほうが強く感じたが、それも視る側が本シリーズのパターンというか、筋になれてしまったのもあって、それなりに展開を想像できるようになったからだろう。

 ただ、この映画はその想像の斜め上をいってくたし、マンネリ化ではなく安心感として魅せてくれるのが素晴らしい。

赤星さんの立ち位置がステキ

 江口洋介さん演じる赤星栄介。前作でほのめかされていたけど、今回、完全にその立ち位置が確立されて嬉しい。すなわちコンフィデンスマンチームにとっての銭形のとっつあん的な位置。赤星は警察どころかマフィアだけど。

 ただ憎んでるのではなく、相手の実力を認めてて、最早愛すらも感じる執着心というか、心のどこかで追いかけっこを楽しんでいることを匂わせる赤星がすごいツボ。このキャラはお約束化だろうな。

 これまでのシリーズを観ている人も、観ていない人も楽しめる映画ですっ!おすすめ。

  最後に今作で印象的だった、というか吹き出したセリフをひとつ。

この歳でドラゴン桜すると思わなかった。

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