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tomekantyou1
いつもと違う帰り道。
学校の帰り道の楽しみは、いつもと違う道を通ること。
でもね、
実はお墓もあるんだ。
友だちのお母さんが、お墓で亡くなった人のお化け見た、という話を聞いて、その場所を通るときはちょっとドキドキする。
その日は、いつもより遅くなってしまった。お墓を通るのが正直怖かった。
しかも、今日に限って友だちは先に帰ってしまった。
今、ボク1人なんだ。
よし、走って通り過ぎてしまおう!
タタタタタタタタッ……
良かった。
無事に通り過ぎた。
このまま、あとは家までもうすぐだ。
「ただいまー!」
玄関のドアを開けると、そこには何もなかった。
正確には、あった。暗闇が。
怖くて後ろを振り返ると、笑っていた。
人が。
見たこともない人。
何人も。
ただ、笑っている。
後ろは暗闇。
目の前は、人。
しゃがみこんだボクは、耳を塞ぎ目を瞑った。
トントン、と背中を叩かれて、こわごわ顔を上げる。
お母さんの靴が見えた。
お母さんだ!!!
周りをみると、そこはさっき通ったお墓の前。
おかしい。
でも、
ほっとしたボクは、お母さんに抱きついて声をかけた。
「おかあさん!ボクね…」
今あったことを説明しようとお母さんの顔をみた。
顔がなかった。
おしまい。
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