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いつもと違う帰り道。


学校の帰り道の楽しみは、いつもと違う道を通ること。


でもね、
実はお墓もあるんだ。



友だちのお母さんが、お墓で亡くなった人のお化け見た、という話を聞いて、その場所を通るときはちょっとドキドキする。



その日は、いつもより遅くなってしまった。お墓を通るのが正直怖かった。
しかも、今日に限って友だちは先に帰ってしまった。
今、ボク1人なんだ。



よし、走って通り過ぎてしまおう!


タタタタタタタタッ……



良かった。
無事に通り過ぎた。

このまま、あとは家までもうすぐだ。



「ただいまー!」




玄関のドアを開けると、そこには何もなかった。
正確には、あった。暗闇が。


怖くて後ろを振り返ると、笑っていた。
人が。
見たこともない人。
何人も。


ただ、笑っている。



後ろは暗闇。
目の前は、人。



しゃがみこんだボクは、耳を塞ぎ目を瞑った。



トントン、と背中を叩かれて、こわごわ顔を上げる。
お母さんの靴が見えた。
お母さんだ!!!


周りをみると、そこはさっき通ったお墓の前。
おかしい。


でも、
ほっとしたボクは、お母さんに抱きついて声をかけた。
「おかあさん!ボクね…」


今あったことを説明しようとお母さんの顔をみた。


顔がなかった。





おしまい。


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