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秋の夜長に、私の幼少期の不思議体験を。

目が覚めたら、
真上に船底があった。
木でできた、船。
昔ばなしで出てくるような。


わたしは1人で寝ていて、
隣の部屋から両親が動いてる音がする。
自分が見ている船だけが違和感。
隣の両親はいつもどおりに過ごしているから。

ぼんやりして、
怖いな、と思ったけど、身体が動かなかったし、ぎゅっと目を瞑った。


しばらくして、
身体が動いて、真上の船もなかった。
あるのはいつもの天井だけ。

訳が分からなかった。



その場所は、実家の不思議ポイントだったと思う。



次は、
寝てるか寝てないかの時に。
シンプルなオルゴールが流れてきて、
しゃぼん玉がふわふわ浮いているのが見えた。
正確に言うと、目は瞑っている。


しゃぼん玉の中には、
昭和のぬり絵でよくあるような女の子が。
怖くはないけど、夢なのかどうか分からず。
なんだかぼーっつと見ていた。
(目は瞑っているけど)



いまだに夢か現実か、分からない。



…数年後、2階でひとり部屋で寝るようになった私。
その日は、部活でとても疲れていた。


いきなりぎゅっと両手を握られて、身体が宙に浮いていく。
「ヒーヒッヒッヒ…」
気味の悪い女の人の笑い声が聞こえてくる。
目の前で狐のお面が数体グルグル回っている。
あまりにも怖すぎて目を瞑っているのに、お面が見える。
身体は動かない。どんどん浮いていく。

どうしよう。
声を出したら、とけるのだろうか。
必死で声を出す。
かすれた声が出た瞬間に、ふ~っつと力が抜けて布団に戻る。
…というか、布団に寝ていた。


慌てて転げ落ちるように階段を駆け下りて、
両親に今あったことを言う。
茶の間でテレビを観ていた2人は、
笑って、「夢みたんだね」とだけ。


そのあと2階に戻って寝たかは、覚えていない。



私が2階で寝ていた場所は、1階で寝ていた場所と同じ。
つまり、上か下か。


いまだに忘れられない、不思議な体験。
ただの金縛り、とは思っていない出来事。


秋の夜長に、幼少時の不思議体験を。
いかがでしたか?


読んで下さり、ありがとうございました(^^)


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