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国際的ファッションデザイナーの山本寛斎さんには、
10代の頃、歌うたいとしてデビューする直前に
半年ほどお世話になったことがある。
パリコレクションのデザイナー室でお手伝いをさせていただいたのだ。

誰よりも真っ先に大きな声で挨拶される姿、
部屋いっぱいに生地を広げ、
集中してデザインを練っていらっしゃる姿・・・
当時まだ若かった自分の感性が揺さぶられることばかり。
世界の第一線で活躍されている方は
やっぱり違う!と感じた。

寛斎さんは、私のことを「少年ギャル」と
愛称で呼んでくださった。
痩せっぽちで、女性らしい身体のラインがないからだと。        たしかに胸もお尻もふくらみが乏しく、
ショートカットな上に、
いつもモノトーンの服を好んで着ていた。

次のパリコレまでの期間限定だったということもあるが、
デザイナーさんのアシスタントの1人に過ぎないので、
名前まで覚えてもらえるほど近くもなかった。

あるとき、デザイナーさんの代理で作った、
パリコレ用のアクセサリーの試作品を、
「いいね。」と褒めてくださったときは感激した。

あとからデザイナーさんたちに聞いた話では、
寛斎さんは滅多に褒めたりしない方だと、
だからさっきの言葉は珍しいと。(30年くらい前のこと)

半年後のパリコレは、もちろん大成功☆
現地に赴くことはなかったが、
貴重なパンフレットをいただいた。

私が試作したアクセサリーは、
さらにグレードアップした状態で
かっこいい外国人のモデルさんが身に付けていた。
すごく嬉しかった。

その後、私は音楽業界に戻ったので
お目にかかる機会はなかったが、
昨年「SWITCHインタビュー達人たち」で、
旭山動物園の園長さんとの対談を拝見しては、
やっぱり凄い方だなぁと、
そのパワフル過ぎる生き様に感動した。

たくさんの感動や刺激をいただいたことに
心からお礼をお伝えしたい。

空に届けよう。
本当にありがとうございましたと。

イベントプロデューサーとして寛斎さん最後の企画、
7月31日に予定されているオンラインイベント
「日本元気プロジェクト2020『スーパーエネルギー!!』」の大成功を願うとともに
心からご冥福をお祈りいたします。

『ファッションは人を元気にするチカラがある』は、
寛斎さんが最後まで発信されていたメッセージ。

明日から自分が身に纏うものに、
もうちょっと意識を向けてみようと思う。

涙じゃなくて、感謝の気持ちで心を満たし、
毎日大好きな服を選んで身に付け、
KANSAIさんのようにパワフルであり続けたい。

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