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認知症義母の不穏は、私の表情が引き金なのかも?と気づいたこと

認知症で、要介護5の義母を、在宅介護して8年目になりました。

要介護5(これが最高難度です)になってちょうど3年くらい経ちます。


寝たきりなので、食事も全介助なんです。

そして、高齢になり、だんだん飲み込みも悪くなってきて、すぐむせてしまうので、食事はドロドロに煮込んだのを、フードプロセッサーにかけたミキサー食です。

水にも、トロミ剤ってのを混ぜて、ドロドロにしたのをスプーンで飲ませる訳です。

まあ、この少し前までは、刻み食が食べれたので、毎食ごとにハサミで細かく切って、ちょっとトロミもつけた食事だったので、その時よりは、楽ちんになりましたよ。

赤ちゃんの離乳食みたいな感じですね。圧倒的に量が多いですけどね、赤ちゃんよりは。


まあ、とにかく、そんなご飯を、毎食、と言っても平日はほとんどディサービスに行っているので、朝と晩用意するわけです。

そして、ベッドも起こして、座位がとれなくて倒れてくるので、クッションなんかで、固定するわけなのですが。

ばーちゃんの機嫌が悪いと、もうここで、「痛い!」と言われる訳。

いや、触っただけだから~!と思うんだけどね。


認知症がひどくなっていて、もうコミュニケーションがちゃんと取れないんですよ。

ひどい時は、一日中、何か同じ言葉の羅列など、ずーっと喋っていたりはするのだけど、もう、何を言っているのか理解できない事が多いのです。

ウチには孫が二人いて、下が2歳になったばかりなのですが、うーん、2歳の子の方が、もうすっかりコミュニケーション取れるんですね。


ばーちゃんも一応、おはよう!と声かけると、おはよう、と返してくれる事もあります。

全然わからない訳では無いと思うのだけど、どこまでわかっていて、理解できてるのか?わからないところが困りどころです。

私のことは、誰だと思っているのかなぁ。

一人息子である夫の事は、もう何年も前、まだ要介護3の頃から、わからなくなっていました。

それで、まだ一緒に食事取ってた頃にも「お兄さん」と呼んだり、「ここはどうなってるの?朝、へんな男の人がいるんだけど」なんて言ったりしてね。

おばーちゃん、その人はあなたの息子です!って。

それもあってか、夫は、義母の世話にはノータッチになりました。

まあ、夫には受け入れられないのかもしれないよね。夫は受診とかしてないから診断はされた事ないけど、多分、適応障害とか、発達障害とか、そういう感じでほぼ引きこもりなのでね。


介護を学んでいた娘が、「おばあちゃんの中では、お父さんは若い可愛い時の記憶だから、今ここにいるおじさんは誰かわからなくてもしょうがないよ」と言うので、なるほど!と思ったわけです。

それにしてもね。

認知症の人は、突然人格が変わったりする訳なのです。

おばあーちゃんもね、そんなキツイ人ではなかったの、家族には。


それが、ご飯食べさせてあげようとしてる私に、突然「このバカ!」ってツバ吐いたりするんですよ。

口はあくのに、スプーンを運ぶ私の手をはたき落とす訳で。

いやいや、こぼれるし、汚れるし。天使のような私も腹たちますよ!?

認知症の人が、こうなる時って、本当に目が三角になるの。


しばらく、放っておくと、忘れて落ち着いている事もあるし、ダメな時は、そのまま「おやすみ」って食事抜きで寝ていただく事もある。

介護用語?では「不穏」って言うみたいです。どうもね。


在宅介護って、こっちは完全に素人なんです。介護のかの字も知らずに、突然専門家みたいなお世話を要求される事になります。

なので、全部実地で、色々と、こうかな?どうなのかな?と考えながら8年経ちました。

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認知の発作かも?

最初に、まだ要介護1くらいだった時に、突然、怒り出した時がありました。

あの時は、ショックで怖かった。

年寄りといっても、大人なので、突然大人に、思いっきり切れられたら、怖いです。それも、まったく思いがけずに。

こっちが泣きそうでした。でも、なんとかなだめたかったので、抱きしめたのです。大丈夫だよ!ってね。

それでもちょっと暴れてたけれど、何とかおさまってはくれました。


その時に、介護の大学生だった娘に、「認知の発作みたいなものかも?」と言われて、あ、そうなんだ~とホッとしたのを覚えています。

そして、その後も何度か、そういう不穏になる時がありました。

それで、何か訳があるのかな?何か引き金があるのかな?と考えたわけです。

で、私が気づいたことは「相手のプライドを傷つけた」時かもしれない?という事でした。


お弁当と朝食作ってる最中の忙しい時に、おばあーちゃんが茶碗を運んで洗おうとしてくれたので、「あ、置いといていいですよ~」って言ったのよね。

ちょっと、イラっとしてたのは確かでした。

次の時は、おばーちゃんが、残ってるおかずを全部食べちゃいそうになった時でした。

まだ帰宅してない娘の分を、前もって除けておけば良かったのだけど、まさか、全部食べちゃうとは思えない量だったの。

で「あ~娘の分を取っておいてね」と言ったのです。まあ、たしかにこの時も、「そんなに食べなくても」って責める気持ちがありました。


考えてみたら、そういう、ちょっと責めるような気持ちの時に、ばーちゃんの不穏は発令していた気がするのですね。

そして、最近の、もう完全にコミュニケーション出来ない人になってからも。

いつも、朝食の時に、ばーちゃんの機嫌が悪い事はありませんでした。

それなのに、昨日の朝は、いきなり怒られたのです。そして私に「何怒ってるんだ!」って怒ってきたんです。

いや、怒って無いよ?私。体温測らせてね、って言っただけなんだけど。

ご飯たべようね!って言っても、スプーンをはたき落とされる。


うーん、朝から食べないのもなぁ、と思って、とりあえず、他の事を先にしてました。

その時にね、あら?って気づいたの。

ばーちゃんのご飯持って行く前に、某無料サービス期間内に解約したのに、速攻で引き落とし通知が来てて、は?!何これ?って検索したりしてた事に。

わたし、ご飯持って行った時に、すでに、きっと難しい顔になっていたんですね。

4歳の上の孫もね、ママが怒っている訳では無いのに、他の事でちょっとイライラして、優しくない言い方をしただけで「ママ怒ってる!」って泣いたりするんです。

犬や猫も、犬猫嫌いな人には吠えたりしますよね。


きっと、こっちが不穏な何か?を醸し出している時に、なにかを敏感に察知するのかもしれません。

って、気づいたので、その後営業スマイルで、ご飯の続きを食べていただいたの。

そしたら、全然おとなしくなって、完食してくれました~。

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脳の不思議?!

前に、視神経がダメになって盲目になってる人に、顔の写真を見せると、目は見えないはずなのに、笑ってるのか、怒ってるのか、が分かるという実験のビデオを見た事があるのです。

そして、脳を調べたら、生命維持に関係する領域で、反応していたのですって。

ばーちゃんは、認知症で、脳がだいぶ萎縮してはいるのでしょうけれど、どこか違う場所は、ちゃんと認識しているのでしょうね。

それからは、極力、笑顔で介護するようには気をつけていたのですが、まぁね、毎日毎日なので、忘れてる事も多かったかもしれません。

おばーちゃんは、私の鏡だったのかもしれませんね~。

もう少し、ちゃんと反応が返ってきた時には、たまに「ありがとう」って言ってくれる時があって。

「ありがとう」っていう一言だけで、報われるものなのですね。


今はもう「ありがとう」も言えないばーちゃんになってしまったけれど、それでも、心の中では、どこかで壊れていない義母が「ありがとう」と言ってくれているのかもしれません。

勝手にそう思って、また今日からがんばるかなぁ。


認知症の介護をされてる方、きっと沢山いらっしゃるだろうと思います。

もっともっと大変な介護されている方も。

でも、何か訳があって、何かのご縁で、介護に関わらせていただくのだと思っています。そして、きっとそのお陰で「天の蔵」に天国貯金が沢山貯まるはずです!きっと!絶対。

大変な中で、笑顔を心がけることって、難しいけれど、難しいからこそ訓練になるのかもしれません!

営業スマイルでも、ちょっと相手が穏やかになってくれた方が、介護しやすいですものね。

これは、私の体験で得たことなので、皆さんに当てはまるのかどうかはわかりませんが、ご参考になったら嬉しいなと思っています。





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