マン・オン・ザ・ムーン

 主人公はコメディアン。劇場ではっとしなかったが、なんかのはずみでヒットし、テレビスターとなる。さらなるおもしろさを求めてプロレスをし、女性差別発言をして観客女性の飛び入り挑戦を受けたりする。

 日本の芸能界も何があたるか分からない。浅井企画の人と会った時に、芸人が面白いのは当たり前、売れるかどうかは誰にも分からないと聞いた。この作品の主人公も、なんで売れたかなんて、誰にも説明できない。面白いうえに、何があったのか。神信心を始める人の気持ちが少しだけ分かる。

 マネジャー役のダニー・デ・ビートは、一時、映画を見るとたいがい出ていた。今の日本で言えば、竹中直人みたいな存在なのかもしれない。

 日本で笑いの劇場と言えば、寄席だ。東京と大阪で微妙な違いはあるが、基本、笑えればなんでもあり。師弟や先輩後輩の序列の厳しさはあるものの、笑いをとった者勝ちという基本姿勢は今も残っているようだ。

この作品を見ていると、アメリカでも面倒くさい芸人の上下関係があるものの、お客に受ければそいつが勝ちという、国の違いなんて超えた、人間の根源的なところの勝負があることが分かった。

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