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アリとの戦いと人生を憂う

去年に引き続き家の中に蟻がやってきた。

我が家はポイポイ星人の2歳児がいるため、蟻の好物ばかりが落ちている。今年は3日前に最初の蟻を発見したのだが、蟻が集っていたのは肝油だった。なんでこんなところに肝油が落ちているんだ・・・本当に摩訶不思議。

その次は飴だった。よく見ればおもちゃ箱の中にもいる。

そう、おもちゃ箱はお菓子のカスの巣窟。よく気付いたな蟻。


でもそんな事は言ってられない。駆除だ、駆除。

去年は置き型顆粒タイプを使ったが効果はあったか無かったか微妙だった。

これは置き型が悪いというよりも蟻の種類によるんだと思う。今年も置いてみて思ったが蟻に対して確実に顆粒が大きかった。我が家の家の中にいる蟻は恐らくイエヒメアリ。とても小さいのだ。


ネットで色々ググってみると横浜植木株式会社の「アリメツ」が良さそうだった。

これはいい、でもどこに売ってるんだ?すぐにでも欲しいのでネットは除外、こちとら地方で2日かかる。

どうしようかと思いながら一晩寝たところ、朝から発狂するほど蟻の大群がやってきた。

上の子が「ままー、ありさんいっぱいいる〜」と教えてくれなかったら多分気づかずにいたかもしれない。気づかない方が幸せではあった。

幼稚園の準備をしながら発狂しながら殺虫剤を振った。殺虫剤はよく効いたがしばらくするとまた次、また次、とやってくる。やっぱり巣ごと駆除するしかない。


そんなわけで近場のホームセンターに片っ端から電話をかけた。

運良く在庫のある店があり、すぐ購入して早速使ってみた。

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「アリメツ」は液体タイプで思いの外安かった。

容器もあったけれど平らな方が来やすいかな?と養生テープを貼ってその上に垂らしてみる。ラップや紙タグの上にも載せてみたけれどラップは飛ぶのでダメ、紙たぐは良かったけれど少し段差ができていたようで養生テープが一番良かった。

砂糖と混ぜると食いつきがいいと書いてあったので混ぜてみるとすぐに来た。調子に乗ってカラメルソースやツナ缶の汁でも検証してみたが全くだったので使う方は砂糖でやってみて欲しい。


敵を知るにはまず観察、と蟻の様子を見ているとふと気づく。

働き者の代名詞のような蟻だが、確実に1割は働かずに遊んでいる。

本で読んで知ってはいたが実際に見ると、フラフラ散歩をしてる様子の者、何度でも上に登ろうとチャレンジする者、様々だ。社会の縮図のような光景だな。

働かない蟻達が部屋の中を好きに歩き回るのを阻止すべく、養生テープを丸めてネバネバのガードを作った。これである程度は阻止できるだろう。


蟻が増えてきて餌場が足りなくなってくる。

いくつか餌場を増やしたが最初の餌場が大人気なので最初の餌場のすぐ近くに「アリメツ」を垂らしてみた。

砂糖砂糖・・と思ったところでもう食いついてきてやがる。「砂糖なしのアリメツ」にあっという間に次々蟻がやってきた。嘘だろう!?


蟻の習性は知らないが要するに最初の蟻が「あそこにあれがって良かった」と言ってその後の蟻は「あそこのあれね、ハイハイ」くらいで来ているんじゃないかと理解した。

だからほんの少し離れたところにある「砂糖入りのアリメツ」よりも「最初の場所の近くにある普通のアリメツ」にやってきたんだな。

なんだろうこれ、人間かな???

最初にPRした蟻は目利きなんだろう、そしてそのPR蟻の情報を元にやってくる蟻達。

私の溺愛するコスメもそう、私のこのふくよかボディを作った魅惑のスイーツ達もそう。PR蟻の情報だけ判断していないと果たして言い切れるだろうか、ちゃんと味わってそう思えているだろうか。


そのうち粘着バリケードを登ろうとしてくる蟻が出てきた。

登れる者もいたがその場でうんともすんとも言わなくなった者もいる。

なんでだろう、登る時に無理だとは思わないのだろうか。登ってる最中で無理そうなら引き返せばいいのに。

神が作った無理ゲーな山に挑戦する登山家のようだと思った。粘着バリケートを登ろうとする者が登山家なら意味なく何度も何度も壁を登ろうとしてる物はサス○チャレンジャーだな。一応番組名は伏せとく。


粘着バリケード開始から30分ほどであることに気づく。

明らかに遊ぶ蟻が減っている。

もしかしてあれは遊んでいたわけじゃなく新たな餌場を求めていたチャレンジャーなのか?と思ったが恐らく違う。

きっと遊ぶ場が無くなったから働くようになっただけだ。


私の母校は田舎の進学校で私含め真面目ではない者もたくさんいたが授業をサボる者はほとんどいなかった。それはなぜか?

サボる場が無かったから、それだけだ。

近くの高校で不良生活をエンジョイしていた友達に「どうしてサボらないの?私なんか嫌な授業は抜けて遊び回ってるよ」と聞かれたが私たちにはサボる場が無かった。サボる環境が無かった。

周りはマンションくらいしかない環境で雲隠れする場所も無く、よく聞く友人宅もしっかりした親御さんばかりなのできっと授業時間に家にいたら説教されて連れ戻されるか泣かれるか。わざわざ自転車漕いで遠いサボれる場所まで行って1時間後にまたヒーヒー言いながら漕いで帰るなんてとてもじゃないけど無理。

何度クラスメイトと話してもやはり「サボれる場が無かった」しか答えは出なかった。保健室も優しいけれど万能ではない、1人ではサボれても2人では無理なのだ。


ということが蟻の中にも起きているんだと判断した。

そんな高校生活が幸か不幸かは置いといて、そんなことをぼんやり考えていたら文章で納めたくなってこのnoteを書いている。

SNS各種もしているが普段書いていることと違いすぎるのでちょっと書きづらい。noteが一番かなと初チャレンジすることにした。


「アリメツ」開始から3時間が経つ、蟻に感銘を受けnoteまで始めたが、やはり私は虫嫌いなのでゾワっとするし家からいなくなって欲しい。