大嫌いで大好きな歌

⚠️注意⚠️
このブログを見る前に前回のブログを読むか筆者のTwitterを覗いておくことをおすすめします。そんな時間が無い人は、これは批判ではなく筆者の心の中にある葛藤を文字に起こしただけであるということを頭の片隅において読んでください
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私は優木せつ菜が大好きだ。ほぼ初期から他の誰よりも優木せつ菜に惹かれ、惚れて、彼女のこれからを見たいと思っていた。

私が虹ヶ咲と初めて対面したラブライブフェス以降、初めて発売された優木せつ菜のソロ曲は

LIKE IT! LOVE IT!

である。

私はこの曲が大嫌いだ。

いや、正確に言うとこの曲が大嫌いになった。

今まで私は比較的、ラブライブに対してかなり広い心を持ってると自負している。言いたいことは沢山あるが、そうすることを運営が決めたなら従うしかないという風に。優木せつ菜の扱いについても否定こそはしなかった。受け入れた上でそれなりの葛藤はあったし、克服しようと思った。(前回の記事を参照)

1度は壁を乗り越えられたせつ菜と共にこの先を一緒に歩いていこうと決めたのだったが、にじたび愛知にきてこの曲に対してどう向き合えばいいのか立ち止まってしまった。
この曲はあまりにも優木せつ菜のイメージが強すぎるのだ。CDの音源を聴いていても私には聴こえてしまう…見えてしまう…誰もいないステージで1人立ち向かい煽りを入れたときや誰も声が出せない時にトロッコで沢山の人に手を振りながら歌い煽りを入れて観客をひとつにさせたときの幻聴や幻影が。
この幻聴や幻影のせいで私はこの曲が大嫌いだ。


前回私はにじたび東京で再び優木せつ菜と出会い、生まれて初めて現地で聞いたMELODYに対して真っ直ぐ歌う優木せつ菜を見て惚れ直した。せつ菜と、彼女と一緒ならまだ虹ヶ咲を好きでいられると思ったんだ。もう越えられない壁なんてないと思っていた。

迎えたにじたび愛知、土曜のセトリを見た時に私の唯一の懸念点であったLIKE IT! LOVE IT!(以下、「LILI」と表記)を受け入れられるかという問題にぶつかった。もしかしたらセトリが変わって回避するかもと思ったから、誰にも言わず、ずっと隠していたこの気持ちを見ないフリしようとしていたのに、やっぱり避けられなかった。

あのイントロが流れた瞬間、私の中に複雑な感情で胸がいっぱいになった。元々は大好きだった楽曲。自分が自分らしくいていいと背中を押してくれるように感じる曲……。辛い時はこの曲と共に明日も頑張ろう、次も頑張ろうと思える…そんな楽曲だったのに素直に嬉しいと言えないんだ。

優木せつ菜が最後にLILIを歌ったのは、A・ZU・NAファンミーティングだ。そう、有観客が解禁されて半年ほどでまだ声を出せなかった時だ。筆者もDay2のみではあるが参戦しており、現地で拳をあげていた人間である👊

この曲は2ndライブとこのファンミでしか披露していなかった。それなのに優木せつ菜はどちらのライブでも観客に対する煽りを忘れなかった。おかげで声は出せなかったのに優木せつ菜と気持ちが1つになったような楽曲で、私にとって優木せつ菜ソロ曲、なんなら虹ヶ咲全体でTopを争うくらい大好きな楽曲だった。

あの時は声が出せなかったから、いつか声がまた出せるようになったら拳をあげるだけではなく、一緒に間奏の部分を歌いたい、あの時と同じ煽りで盛り上がりたいと思っていたのだ。だからA・ZU・NAファンミ以降、音源を聞いてもあの煽りが聞こえてきて、まっすぐ拳をつきあげる彼女の幻影が見えるようになった。いつか一緒に歌える日が来ることを願いながら……。それが叶わないまま、新たな優木せつ菜と出会うことになった。

広島公演は、土曜と日昼はCHASE!、日夜はLILIだったと聞いた。配信を見て違和感があった。CHASE!は彼女らしさが出ており新たな始まりを彷彿させる素敵な楽曲となっていると感じたのに、LILIは心の中にぽっかりと穴が空いた状態だった。

現地で聞けばそんな事ないと思っていたけど現地で聞いてもやっぱり変わらなかった。私はあの幻影をずっと追っかけていてこの曲が好きだったんだと。

確かに、幻影抜きにしても好きな楽曲である。ベースの音がずっしりと曲を支えていて、ドラムの力強さが応援歌っぽさを表現している。歌詞も誰かに受けいれて貰えないかもという不安を持ってる人に対して大好きなら大好きでいいんだよと「私が絶対味方だから」と絶対的な応援歌である。

余談ではあるが、優木せつ菜のLILIと他のソロ曲について……
DIVE!は1曲の中に陰と陽が混ざりあっているが、CHASE!とMELODYをそれぞれ光と陰だと思っている人もいるだろう。私個人はLILIもMELODYに並ぶ陰の曲であると感じている。LILIは全体的に明るい曲調に明るい歌詞のためあまりそうは感じないという人もいるだろう。お母さんに受け入れて貰えないのではないかという不安を抱えながらも歌ったMELODYに対してLILIはそんな過去があったから、そんな過去を乗り越えたから大好きを真っ直ぐ表現していいんだと言うメッセージが込められており、大好きを受け入れて貰えない不安を抱えている人に対して「私が絶対味方だから」と歌っていて、一見前を向ける曲に聞こえるけど、もし否定されていたらというifの世界にいても中川菜々は優木せつ菜が味方していると自身を鼓舞する歌であり、掘り下げれば掘り下げるほど陰の部分が見えてくる楽曲である。そして、応援歌的要素はそんな不安を抱えたことがある優木せつ菜(中川菜々)だからこそ説得力が増し、絶対的な安心感を与える楽曲になっているのだと考える。

こんな風にLILIは語ることが多すぎてどうしようもなく大好きな楽曲だけど、あの幻影があるからこそTopを争うほど好きなのかもしれない。そして大好きすぎてあの時に見たパフォーマンスが脳裏に焼き付いていて、夢を見て、夢が叶わず勝手に失望してるだけ。

優木せつ菜の笑顔が眩しくて、にびたびで歌ってる彼女の笑顔が眩しくて、そんな彼女が好きなのに、大好きなのに辛いと感じてしまった。だってあの幻影がそれ以上に…あまりにも眩しくて、それが重なって恋しくなってしまうから……。

帰りのバスでもLILIを流すけど、やっぱり幻聴や幻影に囚われてしまったのだ。もう私は一生この曲を大好きと素直に言えなくなってしまったのかもしれない。でも聞くのを辞められないし、大嫌いとも素直に言えない。だって夢見た過去は絶対無駄じゃなかったし、夢を見た事は誰も否定できないから。

だから私は、LILIをあの時のものと今回のものは別々の曲だと考えられるまで、いや、考えられるようになった後も、この大嫌いで大好きな曲をこれからも聴き続けたい。

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