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 悩み好転!『禅語の智慧』の物語 No.68

【自己信頼編】

2024年5月17日(金)

悩み事:互いの存在がストレスとなってしまう

目次
1、あらすじ
2、禅語「冷暖自知」(れいだんじち)の解説

物語のタイトル:禅寺で見つけた未来
1、出会いと結婚
2、亀裂の始まり
3、禅寺への訪問
4、冷暖自知との出会い
5、心の見つめ直しと和解
6、幸せの結末
7、まとめ
8、ごあいさつ

1、あらすじ
隆(たかし)と美咲(みさき)は、大学時代に出会い、結婚して幸福な新婚生活を送っていました。しかし、結婚5年目を迎える頃から、二人の間には性格の不一致や生活スタイルの違いが原因で亀裂が生じ始めました。日々の忙しさやコミュニケーション不足から生じる不満が募り、次第に夫婦関係は冷え切ってしまいます。悩んだ二人は友人の勧めで禅寺を訪れ、「冷暖自知」という禅語と出会います。自分の心を見つめ直すことで、二人は再び愛情と理解を取り戻し、待望の赤ちゃんが誕生するという幸せな結末を迎えます。

2、禅語「冷暖自知」(れいだんじち)の解説
禅語「冷暖自知」(れいだんじち)は、「冷たさと暖かさは自分で感じる」という意味を持ちます。この言葉は、他人の意見や外部の影響に左右されず、自分自身の感覚や感情を大切にすることを示唆しています。具体的には、自分の心の状態や内面の感覚を正直に受け止め、自らの経験や直感を信じることが重要だという教えです。他人の言動や状況に振り回されず、自分自身の感覚を信頼することで、心の平穏と自己理解を深めることができます。この禅語は、内面の誠実さと自己信頼の大切さを強調しています。

物語のタイトル:禅寺で見つけた未来

1、出会いと結婚
隆(たかし)と美咲(みさき)は、大学時代の友人の紹介で出会いました。隆は機械工学を専攻し、美咲は心理学を学んでいました。二人は、学問的な興味や趣味が一致し、自然と一緒に過ごす時間が増えていきました。初めて出会った時から、隆の温かい笑顔と誠実な態度に美咲は惹かれ、美咲の明るさと気配りに隆も心を奪われました。二人はキャンパス内のカフェでよく一緒に勉強し、週末には映画を見たり公園を散歩したりして、共に過ごす時間を楽しみました。

大学を卒業してからも二人の関係は続き、互いの家族とも親密になっていきました。両親も二人の結婚を心から祝福し、二人は晴れて結婚することになりました。結婚式は、美しい花々に囲まれた教会で行われ、家族や友人たちが祝福に駆けつけました。二人は新婚旅行でハワイを訪れ、美しいビーチと自然の中で愛を育みました。

結婚当初、二人の生活は新鮮で楽しいものでした。隆は仕事に励み、美咲は家庭を大切にしながら自分のキャリアも築いていきました。二人は互いに協力し合い、家事や生活の中での小さな喜びを共有しました。毎日の食事や週末の外出、夜の語らいなど、二人の時間は愛と理解に満ちていました。

2、亀裂の始まり
しかし、結婚5年目を迎える頃から、二人の間に少しずつ亀裂が生じ始めました。隆は仕事で昇進を目指して忙しくなり、家に帰る時間が遅くなることが多くなりました。一方、美咲は家庭のことや自分の仕事で忙しく、二人のコミュニケーションが減っていきました。忙しさの中で、二人は次第にお互いの気持ちを理解することが難しくなっていったのです。

性格の違いや生活スタイルの違いが浮き彫りになり、些細なことで口論が増えました。例えば、隆が仕事のストレスを抱えたまま帰宅すると、美咲はその態度に敏感になり、些細なことで不満をぶつけることが増えました。一方、隆も美咲が家事に厳しくなり、細かいことにこだわる姿勢に疲れを感じるようになりました。

二人の間には、冷え切った空気が漂い始めました。新婚当初のような愛情と理解は薄れ、互いの存在がストレスとなってしまいました。美咲は、隆が仕事にかまけて家庭を顧みないと感じ、孤独感に苛まれることが多くなりました。隆もまた、美咲が自分に対して冷たくなっていると感じ、家庭に帰ることが憂鬱になっていました。

3、禅寺への訪問
このままではいけないと感じた二人は、友人の勧めで近くの禅寺を訪れることにしました。禅寺は山間の静かな場所にあり、自然に囲まれたその場所には心を癒す力がありました。二人は禅寺の門をくぐり、一歩一歩を踏みしめながら敷地内を歩きました。美しい庭園や木々の緑に囲まれた道を進むと、心の中のざわめきが次第に静まっていくのを感じました。

住職は、二人を温かく迎え入れてくれました。住職の落ち着いた声と穏やかな表情に、二人は少しずつ心を開いていきました。住職は二人の話をじっくりと聞き、現状の悩みを理解しようと努めました。隆と美咲は、現在の夫婦関係の問題点や、お互いに感じている不満や孤独を率直に話しました。

住職は二人の話を聞いた後、「冷暖自知」(れいだんじち)という禅語を紹介しました。住職は、「冷暖自知」とは、「冷たさと暖かさは自分で感じる」という意味であり、自分自身の心の状態をまず理解することが大切だと説明しました。「他人の気持ちを理解しようとする前に、自分の心の状態を知りなさい。冷たいと感じるのも、暖かいと感じるのも、すべては自分自身の心が感じているのです。」

4、冷暖自知との出会い
住職の言葉に二人は深く考えさせられました。冷暖自知の教えは、外部の要因ではなく、自分自身の内面を見つめ直すことの重要性を説いています。二人は、自分自身の感情や思考を再評価し、お互いの気持ちを理解するための第一歩を踏み出すことを決意しました。

5、心の見つめ直しと和解
自宅に戻った二人は、それぞれの心の状態を見つめ直すことにしました。隆は、自分の仕事への熱中が美咲に与えていた孤独や不安を理解し、自分の行動を反省しました。美咲もまた、隆が仕事に対する情熱を持ち、家庭を支えるために努力していることを理解しようと努めました。二人はお互いの気持ちを共有し合い、少しずつ心の距離を縮めていきました。

隆は、美咲の話に耳を傾けるようになり、家事を手伝う時間を増やしました。一方、美咲も、隆が仕事で帰宅が遅くなっても怒らず、温かく迎えるようになりました。二人は再び会話が増え、笑顔が戻り、夫婦の絆が強まっていきました。

6、幸せの結末
時間が経ち、二人の関係は新婚当初のように暖かく、穏やかなものになりました。そんなある日、美咲は体調の変化を感じ、病院を訪れました。医師から妊娠していることを告げられ、二人は大きな喜びに包まれました。待望の赤ちゃんが誕生し、二人の家庭には新たな幸せが加わりました。

7、まとめ
隆と美咲は性格の不一致や生活スタイルの違いから関係が悪化していましたが、禅寺での「冷暖自知」という禅語との出会いを通じて、自分自身の心を見つめ直すことの大切さを学びました。その結果、お互いの気持ちを理解し合い、愛情と絆を取り戻しました。そして、美咲の妊娠と待望の赤ちゃんの誕生により、新たな幸せが訪れました。自分の内面を見つめ直すことで、どんな困難も乗り越えられるという希望の物語です。

8、ごあいさつ
読者の皆さま、最後までお読みいただきありがとうございました。この物語を通じて、どんな困難も内面を見つめ直すことで乗り越えられることをお伝えしたかったです。自分自身の心を理解し、相手を思いやることで、新たな絆と幸せが生まれることを信じています。皆さまの人生にも、暖かな光が差し込むことを願っています。どうぞ、今後とも心の平穏と幸福を大切にお過ごしください。

9 、柔海 剛山(じゅうかいごうざん)の『禅語の俳句』
       禅語の「「冷暖自知」(れいだんじち)」に関する俳句

夜の海 冷暖自知の 波静か

「夜の海 冷暖自知の 波静か」の俳句の解説
この俳句は、夜の海の静寂さと禅語「冷暖自知」を通じて、自己の内面を見つめることの大切さを描いています。静かな波が、自らの感覚と心の平穏を象徴し、自然と一体となる瞬間を表現しています。

夜の海:静寂と神秘に包まれた場面を象徴しています。夜の闇が広がる海は、無限の広がりと深さを持ち、人間の心の奥底とリンクします。その静かな風景が、心の平穏と自己探求の場として描かれています。

冷暖自知の:禅語「冷暖自知」の教えを反映しています。このフレーズは、自分の感覚を通じて自分自身の状態を理解することを強調しています。夜の海の冷たさと暖かさを感じることで、心の状態を見つめ直す意義を示しています。

波静か:外部の喧騒や動揺がない状態を示しています。海の波が静かであることは、心の安定と平穏を象徴しています。内面の静けさを持つことで、心の波も静かになるというメッセージが込められています。

2024年5月17日(金)
柔海 剛山   

【追記】
当サイトは個人的な見解や意見に基づいたものでは一切ありません。
多様な文献や資料、そしてインターネット上の情報源を参考にして、可能な限り柔軟かつ包括的な観点から、情報を物語化して提供することを目的としています。

『柔海 剛山流(じゅうかいごうざんりゅう)あるがままの俳句』とは
『柔海剛山流 あるがままの俳句』は、「あるがまま」という表現を核に持ち、曹洞宗の開祖である道元禅師が提唱した生き方の哲学からインスピレーションを受けています。この哲学は、物事をそのままの姿、自然な状態で受け入れ、現実を直視することの重要性を強調しています。この禅の教えに基づき、私の自由律俳句では自然体でありのままの感覚や感情を詩に昇華させるために「あるがままの俳句」という名前を採用しています。

伝統的な俳句は文字数や季語などの厳密なルールによって特徴づけられますが、現代ではこれらのルールに拘束されない形式の俳句も存在します。この形式は「自由律俳句」と呼ばれ、従来の5-7-5の音節制限や季語の必須性を除外した形式です。

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