悩み好転！『禅語の智慧』の物語　No.86

【飛躍編】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2024年6月30日(日)

　　　　　　　悩み事：将来への迷い

目次
１、あらすじ
２、禅語「夢（ゆめ）」の解説

物語のタイトル：迷いを超えて
１、悩み事
２、禅語の智慧
３、物語の始まり
４、決断の瞬間
５、未来への一歩
６、幸せへの道
７、まとめ
８、ごあいさつ
9、柔海 剛山（じゅうかいごうざん）の『禅語の俳句』

物語のタイトル：迷いを超えて

１、あらすじ
高校2年生の真奈美は、大学進学か高卒での就職かという進路選択に悩んでいました。周囲の期待や不安に押しつぶされそうな日々を過ごしていた彼女は、ある日、父の書斎で見つけた禅の本に救いを求めます。「夢」という禅語に触れ、自分の心の声に耳を傾けることの大切さを知った真奈美は、自分の本当の興味や才能に基づいた選択を進めていく決意をします。家族の支援を受けながら、真奈美は自己の存在意義を見出し、未来への一歩を踏み出すのです。

２、禅語「夢（ゆめ）」の解説
禅語「夢」は、文字通りの夢や幻想を超えて、もっと深い意味を持っています。禅の文脈では、夢は現実と同じくらい実在し、同時に短命なものとして捉えられます。この禅語は、「何も後悔せず、何にも縛られないこと」を示し、執着や不安にとらわれず、心の真実に従うことの重要性を教えています。夢は目標や願望を象徴し、それに向かって自由に生きることが、真の幸福への道とされています。つまり、夢を追い求めることは、自分の心に正直であることを意味し、他人の期待や社会的な制約から解放されて、純粋に自分の願いを追求することを奨励しています。この禅語は、人生の選択に迷ったときや、心の静寂を取り戻したいときに、深い洞察を与えてくれる言葉です。

物語のタイトル：迷いを超えて
１、悩み事
真奈美は高校2年生で、進路について深く悩んでいた。大学進学という選択肢もあれば、高卒での社会参加もあり得る。両親はどちらの選択でも真奈美を支援すると言っているが、彼女自身が望む未来像を描ききれていない。大学に進学すれば、新しい知識や経験を積むことができるが、費用やその後の就職が心配だった。一方、高卒で働き始めれば、経済的に自立しやすい反面、将来のキャリアに限界を感じることもあるかもしれない。
学校では進路指導の時間があり、教師やカウンセラーとの面談も行われているが、真奈美の心の中の不安は解消されなかった。友達との会話でも、進路の話題になるたびにプレッシャーを感じ、自分だけが決められないでいることに焦りを感じていた。弟は高校1年生で、すでに大学進学を目指して勉強に励んでいる姿を見て、自分の決断の遅れを感じずにはいられなかった。
ある日、放課後の図書館で進路に関する本を読み漁っていると、偶然手に取った一冊の本が彼女の目に留まった。それは禅の教えについて書かれた本だった。普段はあまり興味を持たないジャンルだったが、何か引かれるものを感じ、ページをめくり始めた。

２、禅語の智慧
禅語「夢（ゆめ）」：それは何も後悔せず、何にも縛られないこと。選択の迷いや未来の不安に取り囲まれることなく、心の深奥で真に望むものを追求すること。その本の中で、特に彼女の心に響いたのはこの禅語だった。禅語「夢」は、何かにとらわれず、純粋に自分の心の声を聞き、自分の本当の願いを追求することの大切さを説いていた。
「夢」とは、ただの空想や希望ではなく、真奈美自身が本当に望むものを見つけるための指針となる言葉だった。未来への不安や社会の期待に縛られず、自分自身の心に正直になることが、真の幸福への道であると説いていた。真奈美はこの言葉に深く感銘を受け、自分の進路を考える上で大切な指針を見つけたように感じた。
本にはさらに、禅の教えに基づく実践的なアドバイスが記されていた。例えば、毎日の生活の中で自分の心と向き合う時間を持つこと、雑念を払い、純粋な気持ちで自分自身と対話することの重要性が強調されていた。また、何事も完璧を求めず、過去や未来にとらわれず、今この瞬間を大切に生きることの意義も説かれていた。

３、物語の始まり
真奈美は学校の窓から外を眺めながら、将来について深く考え込んでいた。授業が終わり、放課後の静けさの中で、彼女は校庭の景色に目を向け、自分の未来について思いを巡らせた。青空の広がる校庭では、部活動に励む同級生たちの姿が見える。その様子を見ながら、真奈美は自分もいずれはこの場所を離れて新しい世界に飛び込まなければならないのだと感じた。
友人たちが大学の話や就職活動のことを話すたびに、彼女の心はさらに揺れ動いた。友人の中には早々に大学を決めている者もいれば、専門学校や就職を考えている者もいた。その一方で、真奈美の心はまだ定まらないままだった。彼女は家族と何度も相談したが、両親は「どんな選択をしても応援するよ」と言ってくれるだけだった。彼女はその優しさが嬉しい反面、自分自身の意志を見つけることの難しさを痛感していた。
ある日の夕方、真奈美は家の書斎に立ち寄った。そこには、父親が集めた様々な本が並んでいた。彼女は何気なく棚を見渡していると、一冊の禅の本が目に留まった。普段はあまり手に取らないジャンルの本だったが、何かに引かれるようにしてその本を開いた。

４、決断の瞬間
その本の中で、「夢」と題された章があった。真奈美はそのページをじっくりと読み進めた。その章には、「後悔しないで、自由に生きること」という言葉が記されていた。その言葉が、彼女の心に深く響いた。「後悔しないで、自由に生きること。」このシンプルな言葉に、真奈美は自分の心の中で長い間探し続けていた答えを見つけたような気がした。
その夜、真奈美は自分の部屋で静かに考えた。禅の本に書かれていた「夢」の教えが、彼女の心を静かに包み込んだ。過去の失敗や未来への不安に囚われず、今この瞬間を生きることの大切さを実感した。自分が本当に何を望んでいるのか、心の奥深くで探り始めたのだ。
次の日、真奈美は家族と改めて話し合いを持った。彼女は自分の心に正直になり、大学進学か就職かの二択にとらわれず、自分の夢を追い求めることを決意した。家族も彼女の決断を理解し、全面的に支援することを約束してくれた。

５、未来への一歩
その日から、真奈美は新たな視点で進路を考えるようになった。単に周囲の期待に応えるのではなく、自分の心の声に耳を傾けることの大切さを理解したのだ。これまでの彼女は、友人や家族、教師の意見に影響され、周囲の期待に沿うことばかりを考えていた。しかし、禅語「夢」の教えが、彼女の心を解き放った。
最初のステップは、自分の興味や才能を見つめ直すことだった。真奈美はノートを用意し、自分が好きなことや得意なことを書き出してみた。音楽、絵を描くこと、そして子供たちと触れ合うことが特に好きだと気づいた。これまでは漠然とした好きという感覚だったが、ノートに書き出すことで、自分の心の中の情熱が少しずつ具体的になっていった。
次に、彼女はそれぞれの興味に関連する進路を調べ始めた。音楽大学への進学を目指すことも考えたが、特に教育学部で子供たちと関わる仕事に興味が湧いてきた。彼女は学校の進路指導の先生に相談し、教育学部のカリキュラムや必要な資格について詳しく話を聞いた。先生も彼女の新たな目標に共感し、具体的なアドバイスを提供してくれた。
真奈美はまた、地元の図書館で関連する書籍や資料を読み漁った。教育学や心理学に関する本を読み進めるうちに、ますますその道に魅力を感じるようになった。彼女は子供たちの成長を支える仕事に大きなやりがいを見出し、これが自分の進むべき道だと確信するようになった。
休日には、地域のボランティア活動にも参加するようになった。地元の小学校での読み聞かせや、児童館でのイベント運営に携わることで、実際に子供たちと触れ合う機会を増やしていった。こうした経験を通じて、真奈美は自分の選択が間違っていなかったことを確信し、自信を深めることができた。

６、幸せへの道
真奈美は大学進学も考えながら、自分の夢を追求することを決意した。その過程で、彼女は自己の存在意義を見出し、その道を自信を持って歩むことができた。家族も彼女の決断を理解し、全面的に支援してくれた。進路が明確になったことで、真奈美の表情は以前にも増して輝き、周囲の友人や教師もその変化に気づいた。
進学先の大学を選ぶ際には、オープンキャンパスに参加したり、実際に授業を見学したりすることで、自分に最も適した環境を見つけることに努めた。特に教育学部の教授や在学生との対話を通じて、大学の雰囲気や学びの深さを実感することができた。彼女は将来の夢を実現するための道筋がはっきりと見えるようになり、一層の努力を続ける決意を新たにした。
真奈美は大学進学のための準備を進めると同時に、自己成長のための努力も怠らなかった。毎日の勉強に加えて、コミュニケーション能力やリーダーシップを高めるための活動にも積極的に参加した。こうした経験が、彼女の自信をさらに高め、将来の教師としての資質を育むことに繋がった。
また、家族との絆も強まった。両親は真奈美の成長を見守りながら、彼女の決断を尊重し、経済的な支援を惜しまなかった。弟も、姉の姿を見て自分の進路について考え直す機会を得ることができた。家族全員が互いに支え合いながら、それぞれの夢に向かって進んでいく姿は、真奈美にとって大きな励みとなった。
大学進学が決まり、真奈美は新しい環境での生活に期待を膨らませた。入学後、彼女は多くの友人や優れた教師との出会いを通じて、さらに成長を遂げることができた。授業や実習を通じて、教育の現場で必要な知識と技術を身に付け、自分の夢に向かって着実に歩んでいった。
最終的に、真奈美は自分の夢を追い求めることで、自分自身の存在意義を見出すことができた。彼女の決断は、単なる進路選択にとどまらず、自分の人生を豊かにするための大きな一歩となった。家族や友人、教師たちの支援を受けながら、真奈美は自信を持って自分の道を歩み続けました。

「自分の心に寄り添い、夢を追い求めることが、真の幸せを見つける鍵です。」

７、まとめ
真奈美は、禅語「夢」の教えを通じて、自分の心の声に耳を傾けることの大切さを学びました。周囲の期待や不安にとらわれず、自分の本当の興味や才能に基づいた選択を進めることで、自己の存在意義を見出しました。家族の支援を受けながら、彼女は自信を持って未来への一歩を踏み出し、幸せへの道を歩み続けます。この物語は、自分の夢を追求することが真の幸福につながることを教えてくれます。

８、ごあいさつ
本作をお読みいただき、ありがとうございます。真奈美の物語を通じて、自分の心の声に耳を傾けることの大切さを感じていただけたでしょうか。私たちもまた、自分の夢や願いを見つめ直し、勇気を持って進むことで、真の幸福を見つけることができるはずです。どうか、あなたも自分の心に正直に、夢を追い求めてください。ご自身の道を信じて、一歩一歩前進していきましょう。

9、柔海 剛山（じゅうかいごうざん）の『禅語の俳句』
　　　　　　　　　　禅語の「夢」（ゆめ）に関する俳句

夢の羽　自由に広げ　青い空

「夢の羽　自由に広げ　青い空」の俳句の解説
この俳句は、夢を追い求める心の自由さと、それに伴う開放感を描写しています。夢という象徴的な存在が、羽を広げて大空を飛び回る様子は、希望や無限の可能性を感じさせ、読者に前向きな気持ちを抱かせます。

夢の羽：夢や希望が翼となって自分を支え、自由な未来へと導いてくれる象徴です。夢が現実の足かせを解き放ち、軽やかに飛び立つ姿を連想させ、希望に満ちたイメージを描き出します。

自由に広げ：夢や希望が制約や束縛を受けずに大きく広がっていく様子を表現しています。心のままに夢を追い求めることの大切さと、無限の可能性を信じる心を強調しています。

青い空：広大で無限の可能性を象徴しています。夢が広がる場所としての青空は、清々しさと新しい始まりを感じさせ、自由な飛翔の場を提供する象徴的な存在です。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2024年6月30日(日)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　柔海 剛山   
【追記】
当サイトは個人的な見解や意見に基づいたものでは一切ありません。
多様な文献や資料、そしてインターネット上の情報源を参考にして、可能な限り柔軟かつ包括的な観点から、情報を物語化して提供することを目的としています。

『柔海 剛山流（じゅうかいごうざんりゅう）あるがままの俳句』とは
『柔海剛山流 あるがままの俳句』は、「あるがまま」という表現を核に持ち、曹洞宗の開祖である道元禅師が提唱した生き方の哲学からインスピレーションを受けています。この哲学は、物事をそのままの姿、自然な状態で受け入れ、現実を直視することの重要性を強調しています。この禅の教えに基づき、私の自由律俳句では自然体でありのままの感覚や感情を詩に昇華させるために「あるがままの俳句」という名前を採用しています。

伝統的な俳句は文字数や季語などの厳密なルールによって特徴づけられますが、現代ではこれらのルールに拘束されない形式の俳句も存在します。この形式は「自由律俳句」と呼ばれ、従来の5-7-5の音節制限や季語の必須性を除外した形式です。