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Poem)翼を分けてもらうとしたら…

翼を分けてもらうとしたら
きみは何色の翼を選ぶつもりだい、
色にはいろいろな意味があって
よくよく考え給えと
目の前の鳩が言っている

青、
とリクエストしてみたが
青の前に身につけるべき色が
あるよと言われる

黄色、
黄色の前に身につけるべき色が
あるよと言われる

ピンク、
ピンクの前に身につけるべき色が
あるよ、…

紫、緑、赤、
ならば、
黒、と言ってみる

黒は、神様の使いの色。
夜の帳が大きな翼で出来ている
ことを知らなかったかい

鳩はちょっと呆れて言う
何も知らないのだな

カバンから24色の色鉛筆を
出して、
端から言ってみる

おうどいろ、みずいろ、
ぐんじょういろ、ふかみどり、
ぎんいろ、きんいろ

そのすべてさ
鳩はようやく答えを教えてくれた
きみは、透明な羽を
持って行き給え
朝は金色にひかり
昼間は青色にかわり
道を歩き出す時には
葉の緑色を映し
花の赤色を真似て。

夕暮れは藍色を灰色に
塗り替えていく
そんな透明な羽を
しばらく使い給へ と
鳩から譲り受けた

誰も信じてくれないけれど
透明な羽を
みんなの分も
もらっている


#詩  #現代詩

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