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Poem)たまゆらの野

赤い花が咲いていた
枯れ野に一輪、咲いていた
詩人はたまゆらの野を
さまよった

後ろ姿に声をかけてはなりません
古(いにしえ)の約束事には
後悔では済まぬ深い闇が
いつでもひらいている
時間の軸が方向を変えて
しまうエネルギーの核が隠れている
地雷を踏まぬように、
雨風に消えゆく寸前の
人の形をした足跡を辿って行く

前を歩く詩人の撒く種が
地面から吹き上げる風に
ほうぼうへ散らばっていく

赤い花が足元にその先にも
一輪、二輪と増え。
土産に持っておいき
前を向いて進んでいく人の
声が、同じ風の中に
聴こえてくる


#詩     #現代詩

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