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Poem)ひとつひとつ

ひとつひとつ
何かを確認しながら
歩いていってみる
レンガを敷き詰めた歩道、
レンガとレンガの間には仄かな草が
萌えでて、
例え、今日はアスファルトの上を
走ろうが
その舗装の脇にはやはり
青い青い草が顔を出している。
いつも人間の歴史を歩いていこう
と思うのだけれど
それは草の道を歩いていくことで
私達は緑の種から一時も離れることは
できない。

知っていましたか。
緑の宇宙に足音が響くことは
それはささやかな花のように
土中深くに
記憶されていくのです。
緑の種は時々まどろみながら
目覚める。
大事な手紙を届けてあげようかと
種は風船のように
小さな体を膨らませては
風を笑わせている。

知らず知らず、私達は
緑の種の夢を靴裏につけながら、
風吹く中を歩いている。
誰かを大切に想う夢は草の夢。
だから草の夢つづりを歩いていく。

#詩 #現代詩

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