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Poem)ホットミルクと…

ホットミルクと
ホットパイを
テーブルに置いておくね。

すると壁の向こうでコソコソ
音がして。

部屋の灯りを小さくするよ、
出ておいでね。

カチャカチャ、フォークがお皿に
当たる音
パシャパシャパイを食べる音
ごくごくミルクを飲む音。

そっとそっと。
大事に大事に。
人間以外の優しい者たちが
生活する時間があって。
それは部屋に置いてある植物だったり、
部屋の隅に眠る小さな虫だったり。

すぐ側には共存している命がいつもいて。
それは心休まること。驕り高ぶる人間を
優しく目覚めさせること。

人が音楽を奏でるとき、共存する命は聴いている。1人でノートに何か書き始めるとき、
共存する命は微笑みながら覗いている。
1人で泣いているとき、共存する命が悲しそうな顔をして横にいてくれる。
きっと。
だから、

ホットミルクと
ホットパイを
テーブルに置いておくね。


#詩   #現代詩   

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