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Poem)ひところ…

ひところ、白んでいく明けの空ばかりを追いかけていた。ひところ、最初に地面に落ちてくる雨音ばかりを聞きとろうとしていた。ひところ、水道から迸る水の筋ばかりを数えようとしていた。

鳥の羽を集めて歩くのは、まじないでもなんでもなくて、空を渡ってきた風の手紙を、開きたかったからだ。

ここに生きることが、打ちのめされそうな困難の後ろにも、奇跡のような光が隠れていると信じていたかったからだ。

#詩 #現代詩 #Arimの詩

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