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Poem)ひるがえる意味から意味の衣装を着替えて、
ひるがえる意味から意味の衣装を着替えて、舞台に立つ女優に手渡す台本には、あいうえおの文字ばかり。ああそうなの、昨日から頭が痛いのよ、歯痛とはあの永訣の朝に始まった。この痛みのお陰で、おおあの過去とは別れることができないの。いいことないわ、行っておしまいなさい。母は言ったわ。ううんそうもいかないの。私はそんな返事ばかり。ええ加減もう冬が来るというのに。友達は笑っている。花は地面にくるまる季節に。私もまた意味から意味へ着替えてみるの。でも同じよ。かつて失いし花がまた咲きほこるように、きっと今にすぐ燃え上がる太陽がのぼり、苦渋に満ちた夜に結界を引く。こんな記憶の記憶が消していく過去は、永遠というものに流れ着くのだから。
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