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詩というのは、一見静かなものだ…

詩というのは、一見、静かなものだ。そして心の中で燃え立つものだ。
誰かに肩越しに覗かれるように詩を見て頂く。あぁそうか…、うんそうとも考えられる…、等と同じ視点に立って頂いたり。共感して頂く時は、宇宙が広がるような、星が増えていくような、そんな気がする。

詩の言葉の伝達というのは、最大公約数ではなくて、最小公倍数だと思う。人それぞれが、心の歴史の中に育ててきた言葉が合流するのだ。言葉は記号でしかないとしても、その向こうには言葉を介して、相手との新しい時間に繋がるものだと、そんなふうにイメージしたい。

本当は1音しか共通音はないのかもしれなくとも。その他はわからないのかもしれなくとも。その1音の背景に広がるそれぞれの思い、様々な光の色を言葉は包み込んでいて、世界の広がりを共有している。 

空の下に立っている。誰もが地上にいて、手を伸ばしたり呼吸している。“あ“って言ってみる。あなたも“あ“って言える。そんな言葉は美しくて感動してしまう。一緒に手探りで見つけていく言葉というものは、最小限の共通語であり、しかしそれはとても深い感動に続いている。


#詩 #現代詩

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