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Poem)葉っぱの傘さして…

雨の雫を数えているカエルがいる
4、5、10(よんごーじゅー)と、
いつか人間の子供に教わったように
数えている
4、5、10、4、5、10
雪解けして、黒い土の中から出てきたカエル
ずいぶんお日さまが眩しくなったり
いい匂いの花びらがベッドを
包んでくれたり
4、5、10、4、5、10と
数えているけれど

秋、という言葉を
どこからか空を飛ぶ鳥が
落として行った
嘴に挟んだ黒い実を
加えなおした瞬間に
パラパラと、
集めた青や赤の実も
地上へ零しながら

A KI だ
そうだこの風の色は秋だ
4、5、10、4、5、10…
カエルは秋色が映る雨の雫を
数えだす
紅い葉っぱの傘をさして
いつまでも数えている


#詩   #現代詩


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