#85 優しいことは必ずしもいいことだとは限らない
戦国武将の足利尊氏は思いやり、優しさがあり、部下から慕われるような性格の人物だったそうです。
ライバルの武士で自分に刃向かった人でも降伏すれば許してあげたり、部下の大名達に気前よく土地を分けてあげたり。
しかしその優しさのせいで室町幕府の権威が衰え、思い上がった大名などによって応仁の乱が起こり、戦国時代に突入してしまったという見解があります。
リーダーにしては、優しすぎたのでしょう。人の上に立つものには、非人間性が必要なのでしょうか。
寛容のパラドクス
というものがあります。
全てのことに寛容な社会があったとすると、その社会は不寛容な人々に支配されてしまい、結局不寛容な社会になってしまうというものです。
不寛容な人に対しても寛容であることは、社会的には結局良くないということです。
たとえば、罪を犯した人にも彼らなりの背景があり、それを考えると許してあげたくなることもあります。しかし、彼らを罰から開放してしまうと、不寛容な人に対しても寛容であることになり、社会が危うくなってしまいます。
「罪を犯しても許してもらえるなら、もっとやってやろう」という人が出てきて、犯罪にあって困る人がたくさん出てしまいます。
なので、今の社会は罪を犯した人にはそれなりの罰を与える社会になっています。
個人においてもそれが言えるでしょう。全ての人に愛想良く接していると、悪意がある人に搾取されたり、結局自分を攻撃にさらすことになります。
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