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法学徒徒然➀

ちょっと長い前置き

現在私は、某関西の大学の大学院で法学を学んでいます。法学部の大学院といえば法科大学院(世にいう「ロースクール」ですね)を思い浮かべる方が多いと思いますが、まさにその法科大学院生をやっております。

ちなみに、法科大学院は何を勉強するところかと言うと、司法試験の勉強をするところです。制度上は「理論と実務の架け橋」となる場所として設定されています。露骨に、資格試験予備校と言う人もいるでしょう。

ちょっと誤解されやすいポイントかな、と思うのですが、法学部の大学院は法科大学院だけではありません。法学部に入学する学生が全員司法試験合格を目指すわけではない(っていうのも意外なのかもしれない…)のと同様に、法学部の大学院だって司法試験のことばかりを考えているわけではありません。専攻に応じて、公共政策院(こちらは政治や政策について勉強する大学院、っていうイメージです。私も通っていないのであまり詳細は知りません)、法政理論専攻(こちらは法学研究者養成専門の大学院です)などに分かれています(私の通っている大学には、あと2つくらいあった気がするのですが忘れました)。

そもそも、「法学ってなに?」「みんな司法試験受けるの?」「何の役に立つの?」「六法全書覚えるの?」という風に、法学を勉強したことの無い方(そして勉強してみた方も)疑問に思われることかと思います。

昨日の投稿でも書きましたが、私のこの活動の意義は、自分から世の中に対して価値を創造することです。そうだとすれば、まずは自分が専門として勉強していることが、世の中にとってどのような意味を持つのかについて考察するところから始めてもいいんじゃないかと思いました。どこまで続くかわかりませんが、やれるだけやってみようかな、と。この記事を読んだ方は、もしよろしければコメント欄にでも、法学に対するイメージや疑問を書き込んでくださるとうれしいです。それを受けて可能な限りアンサー記事を書いていけたらと思います。

では、まず、答えやすいところから行きたいと思います(笑)

法学部って何を勉強するところ?

私が知る限りで、法学部は法学と政治学を勉強する場所です。多くの法学部では、法学部内で法学科と政治学科に最初から分かれているか、途中から分かれることになります。そのあたりはバリエーションがあるところで、大学によるところが大きいです。ちなみに私の通っていた大学は法学科と政治学科による学科分けは4年間を通してありませんでした。法学に関する必修科目を設定する以外は各学生が好きに科目を選択できるようになっていて、その学生の興味関心に合わせて必要単位数さえそろえれば卒業できました。そういう意味では、卒業しやすい学部だったと思います。

つまり、司法試験を目指していたり法学研究者を目指しているような学生は法学系の科目ばかりで卒業に必要な単位をそろえることができます。一方で、政治に興味関心のある人は、最低限の法学系の科目の単位さえそろえれば残りの単位は政治系の科目でそろえることができました。ここでいう最低限の法学系の科目は、民法と刑法と憲法です。しかも、民法については、総則と物権の部分までの単位までが必修単位だったと思います(総則、物権などの説明はまた後日に)。

ようは、民法・刑法・憲法の学習を通して「法律ってこういうものなんだ」みたいな概要さえ理解してくれれば、「あとは何してもいいよ」という学部が法学部です。
その中で、どんどん法学を極めたいと思う人もいれば、法学の勉強はもううんざりだし私は政治の方が興味がある、と言う人もいます。どっちも特に興味は無いし、とりあえず必要単位だけそろえてさっさと就職しよう、と言う人もいるのです。
大学一回生のころの学部の入学者向けガイダンスでは、司法試験受験を考えて法科大学院まで進む人は全体の大体3割程度という説明だったと思います。意外とそんなもんなんですよね。

ではここで、「法学ってなに?何を勉強するの?それは何かの役に立つの?おもしろいの?」という疑問が湧き上がってくると思います。それについてはまた次回に。



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