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BIM推進を進める戸田建設  『Lightning BIM 自動配筋』の導入で次の時代の土台を作る

戸田建設株式会社は、企画から設計、施工、維持管理に至るまでをトータルで手掛ける総合建設会社として、業界をリードしてきました。建設業界では2024年問題への対応が急務とされる中、業務の効率化を目指し、Arentが提供するAutodesk Revitアドインソフト『Lightning BIM 自動配筋』をいち早く導入いただいた同社に導入の背景と今後の展望について伺いました。

本社建築工事技術部 施工計画支援課 課長
 建築DX推進室 室員 一級建築士 /一級建築施工管理技士
田伏 雅樹氏

2024年問題への対応が急がれる中、
建築施工の業務効率化を目的に『Lightning BIM 自動配筋』を導入

『Lightning BIM 自動配筋』を導入した目的を教えてください

建設業界は、2024年4月に施行される時間外労働の上限規制に向けて、業務効率化と労働環境改善に向けた対応を進めています。この状況の中、我々戸田建設も現場業務の負担軽減を目指し、具体的な施策の検討を進めていました。特に、配筋の検討業務は各現場での重要かつ負担の大きい作業であり、これを簡略化できるツールを探していました。
それと同時にDX推進の一環でBIMのさらなる活用を検討しており、BIMを使ったソフトウェアという事で、トライアルをして導入した経緯があります。

業界知識や経験値に左右されずに業務が行える

『Lightning  BIM 自動配筋』を選んだ理由を教えてください

弊社はBIMソフトとしてAutodesk Revit(以下、「Revit」)を採用しているので、まずはRevitで使えるソフトウェアでかつ、Revitで完結できるソフトウェアであることです。Revit内で作業が完結することは、業務の効率化に大きく貢献します。他のツールも検討しましたが、Revitとの連携に問題が生じることがあり、そのような障害が生じないことが、Lightning BIM 自動配筋を選択した大きな理由の一つです。

 また、自動配筋の精度の高さと、直感的な操作性も大きな魅力です。これにより、技術継承の課題や長時間労働の問題にも効果的に対処できます。熟練した専門家だけでなく、経験の浅いオペレーターでも、基本的な配筋モデリングを行えるようになります。以前は他の自動モデルツールを使用していましたが、それらは熟練した専門家でないと使いこなすのが難しいものでした。しかし、Lightning BIM 自動配筋はその操作の簡単さと自動化された機能により、経験の浅いオペレーターでも、熟練者と同等のスピードと精度で作業を行えるようになりました。経験がないと、図面をイメージするのが大変なのですが、建築を知らないオペレーターでも図面を起こすことができ、起こした図面を見ながら調整が出来る。これは大きいですね。

現在、当社の全10支店中2支店(名古屋支店と広島支店)でLightning BIM 自動配筋を導入しています。名古屋支店ではベテラン社員が、広島支店ではキャリア数年の一般オペレーターが使用していますが、どちらのケースでもLightning BIM 自動配筋は高い精度と速度を実現しています。

現状の業務改善効果としては、2DとBIMを純粋に比較するのは難しいですが、BIM単体の作業と比較した場合、Lightning BIM 自動配筋を利用することで作業時間が大体5分の1程度にまで縮減されるというのが我々の見積もりです。今後、鉄筋データを含むモデルの普及が進めば、2Dと比べても同様に、作業時間の減少が見込まれます。 将来的には、他の支店でもこのツールを展開し、より多くのプロジェクトにこの効率化と品質向上の恩恵をもたらすことを目指しています。


『Lightning BIM 自動配筋』に期待するところを教えてください

施工計画の段階でも使えると思っています。早期の企画・設計段階から積算の精度を高め、施工現場での手戻りや修正を減少させることを期待しています。これは、いわゆるフロントローディングのアプローチで、実施設計段階での正確な情報と計画に基づいて、後工程の効率化とコスト削減を実現することを意味します。

具体的に言うと、鉄筋の組立方法や地組の計画、継手位置の検討など、形状に関する調整を行う部分です。これらの調整にLightning BIM 自動配筋を使うことで、実施設計段階、つまり施工計画の初期段階で詳細な計画が可能となり、大幅な時間短縮が可能になります。特に、継手の設定や仕口の接続など、細かい重要な部分の自動生成機能は、スピードアップだけでなく、精度の向上にも寄与しています。これらの自動化されたプロセスは、Lightning BIM 自動配筋が提供する大きな価値の一つです。

我々としては、これが単に業務効率化のためだけではなく、より広い意味で、社会的責任を果たし持続可能な社会の実現に寄与する取り組みとしての価値があると考えています。Lightning BIM 自動配筋を使うことで、より速く、より効率的に、そしてその結果として環境に優しい建設プロジェクトを実現し、当社のビジョンである「"喜び"を実現する企業」への取り組みに貢献していくことを期待しています。

次の10年のための土台を、BIMで整えていく

現在のBIM普及の状況は?

現在、戸田建設では全社的にBIMモデルを設計および施工のあらゆる物件に適用しています。設計においては、BIMモデルのテンプレートが完成し、実際の運用レベルに達したため、これらのテンプレートの普及と展開のフェーズに入っており、建築生産プロセスの変革(DX)に向けた過渡期にあります。

この過渡期においては従来の業務に加えて新しい作業が増え、追加の負担が生じているのも事実です。しかし、BIMを用いた設計ワークフローが適切に運用されるようになれば、各業務がシームレスに連携し、全体としての作業負担は軽減されると考えています。BIMは設計から施工までの各段階の業務をよりスムーズにし、より効率的にするための強力なツールです。

DXはデジタル化することも大切ですが、X(トランスフォーメーション)の部分、ここで言うと「生産プロセスの変革」が大変であり、本質だと思っています。生産プロセスの根本的な改革を実現するためには、しっかりとした基盤が不可欠です。現在、我々はBIMをはじめとするデジタルツールを駆使して生産プロセスを見直し、業務フローの基礎を確立する、未来に向けて変革する準備を整えている段階だと捉えています。
 
このプロセス変革は非常に大変ですが、業務の質を向上し、効率性を高め、そして最終的にはより優れた建築物とサービスを提供することで、社会全体に対する貢献につながるものと信じています。

(※本内容は2023年12月取材時のものになります。)


最後に

最後までお読みいただきありがとうございました!
今後も、「Lightning BIM 自動配筋 導入レポート」では、定期的にサービスをご導入いただいた企業様をピックアップし、ご紹介いたしますので、ご期待ください!

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