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まちを活用し、まちを「育てる」 ナカメエリアマネジメント


みつける。かんがえる。こうどうする。なかめスタイル

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そんなキャッチ―なコピーを掲げ、オシャレな街の代表的存在「中目黒」のまちづくりが加速しています。

今回は、一般社団法人中目黒駅周辺地区エリアマネジメント(以下、ナカメエリアマネジメント)の大塚さんにお話を伺いました。

日本デザイン株式会社 代表取締役 大塚剛さん

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ナカメエリアマネジメント立ち上げの経緯

中目黒駅周辺エリアでは、10年ほど前よりまちづくりに関する懇談会などを経て、平成25年7月に中目黒駅周辺地区街づくり協議会(以下、街協)が設立されています。街協は、町会・住区・商店会などの代表で構成され、中目黒駅を中心に半径約500mのエリアにおけるまちづくり活動の情報共有や協議・調整を行っています。

ナカメエリアマネジメントは、そんな街協から生まれた組織として、令和2年10月に設立されたばかりの組織です。これまで、冒頭に記した「なかめスタイル」に基づいて、街づくり活動を行っています。

今回お話を伺った大塚さんは、中目黒に会社を持つ、日本デザイン株式会社の代表取締役です。約10年前から中目黒エリアの街づくりを行なっています。そのような大塚さんが、街協や行政と良好な関係性を築き、ナカメエリアマネジメント立ち上げるのには、地域を愛する強い思いと相当な苦労があったと思います。

存在をお互いが認識できる関係性を

大塚さんが、地域と関わるきっかけになったのは、10年前に開催した映画祭とのこと。その時に、街で活躍される地域の方々と多く知り合うことができたそうです。その後、関係性を構築していく中で、地域の方々と活動を行っている若手との接点がないことに気が付いたと言います。

その接点を作りたいという思いから、ナカメグロブロックパーティーという出店者同士や来場者同士、そして全員が繋がり、新しいコミュニティが生まれることを目的としたイベントを企画・実施しました。大人から小さな子供も楽しめるアットホームな雰囲気を残しながら、ワークショップやライブパフォーマンスなど様々なコンテンツを盛りこんだ野外イベントとなっており、年に4回実施しています(コロナ禍では未開催)。

こういった活動を通して、道で挨拶しあう人が増え、だんだんと街の中でのつながりが見えるようになってきたと言います。そんなつながりの見える日常風景が、大塚さんの取り組んできた活動の成果を実感させてくれる瞬間になるとのことでした。

2019年10月撮影「NAKAMEGURO BLOCK PARTY」

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まちへの愛着を生む様々な活動

取組みはブロックパーティーだけに留まりません。中目黒エリアにお店を持つスターバックスと連携したタウンミーティングを開催しています。スターバックスのスタッフの方々と地域の方々が一緒に、中目黒のまちについてどう思うか、どうなったら良くなるかなどのディスカッションを行い、それを形にしていくことを目指した取り組みです。

その他、環境にやさしいプラスチック含有量の少ないビアタンブラーの開発を行なったアサヒビールと連携したり(コロナの影響で延期)、ペットボトルの再利用でユニリーバと連携したりと、街づくりと企業活動を結び付ける取組みも行っています。

こういった、街づくりと企業活動の連携は、どの街でも簡単ではありません。大塚さんのどんどん周囲を巻き込んで事業化していく行動力と手腕は目を見張るものがあります。

また、このコロナ禍では「#ナカメテイクアウト」として、ウェブ上でテイクアウトマップを作成るなど、売り上げの落ち込む飲食店の支援にも取り組んでいます。サイトは無料で登録可能で約100店舗の登録があります。

リアルの活動だけでなく、街の課題を肌で感じ、そして、即座に行動に移すことが出来るのは、街への強い愛着と街で活動されている方々との強いつながりがあってこそです。また、その一人の街への愛着がどんどん街へと波及して広がりを見せているようで、中目黒という街がとても羨ましく感じられます。


ナカメエリアマネジメントの展望

街づくりでは、地域の資源をいかに活用するかという視点が欠かせません。中目黒といってまず真っ先に思いつくのが、目黒川の桜であるという方は多いのではないでしょうか。大塚さんも今後、地域資源である目黒川をいかに活用していくかが重要になると考えています。

令和2年10月に、ナカメエリアマネジメントが主体となって、目黒川船入場広場にて、公共空間を活用した地元飲食店支援活動を実施しました。これは、テイクアウトマップ作成に続くナカメテイクアウトプロジェクトとして、3密を回避できる屋外の広場空間で地元飲食店がキッチンカーで飲食販売を出来るプロジェクトです。キッチンカーのレンタル業者と地元の飲食店舗が協働し、東京都市大学の協力を得た上で、コロナ禍における公共空間の使われ方の実証実験も兼ねた企画です。

これらの実証実験結果を元に、秋ごろには事業の本格実施を目指したいとのことです。河川区域内の広場という公共空間を活用して、地元飲食店を応援しながらナカメエリアマネジメントの安定的な収入を確保するスキーム構築が楽しみです。将来的には、広場活用だけに留まらず、さまざまな公共空間を活用した街づくりを目指したいなど、今後の活動から目が離せません。

2020年11月撮影「#ナカメテイクアウトプロジェクト第二弾」船入場広場

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終わりに

今回は、中目黒駅周辺の街づくりについて、大塚さんにスポットを当てて記事を作成しました。街づくりは一人で出来るものではないので、もっと多くの関係者や街で活躍される地域の方々あっての中目黒であるということは決して忘れてはいけません。

オシャレで洗練された街というイメージである中目黒で、「都市における地元感を作りたい」と言う大塚さんの思いが、今後どのような形となって街に変化をもたらしていくのか、ナカメエリアマネジメントの発展に期待が高まるばかりです。

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