【都市の経済構造を考えてみる!】(第15回)「家計部門の支出!(盛岡経済圏)」
前回、前々回と2回にわけて、「民間消費支出をみてみる!(盛岡経済圏)」としまして、盛岡経済圏の産業連関表から民間(家計)消費支出の欄を中心にみてみました。
今回の第15回では、「家計部門の支出!(盛岡経済圏)」としまして、気づいた点をまとめておきたいと思います。
◯ 実質的な家計支出総額
まずは、実質的な民間消費支出、と言いましょうか、産業連関表の民間消費支出で、全体の合計額が2.6兆円となっていますが、盛岡経済圏に住んでいる人たちの消費額、という観点だと、
観光消費額 2,921億円
帰属家賃 5,334億円
を差し引いた 1.75兆円ほどがより近い数字であろうことがわかりました。観光消費額は、盛岡経済圏に住んでいない人の消費ということでわかりやすいですし、帰属家賃については、実際の支払いはなく計算上の価値ということでした。
これに、消費支出ではなく、総固定資本形成(民間)の住宅建築にあった、1,564億円 を足しまして、1.9兆円 ほどが家計支出という感じで捉えておきたいと思っています。
2.6兆円と1.9兆円ですから、結構、違いますよね。30%くらいですかね。帰属家賃、なかなかの曲者です。各産業部門の中で、民間消費において一番金額が大きい項目が、実際には支払いがおきていない、というのは驚きでした。
第12回「観光消費額を確認する!」のときに想定していたものも、大きく変わってきます。
・第12回「観光消費額を確認する!」
https://note.com/areaia/n/n4ec9c4e8130e?magazine_key=m4e87da1b572a
以前は、家計支出の方が多くて、家計収入が2000億円ほど足りて無くて、そのあたりが、個人事業収入や不動産所得、圏外からの仕送りかな、と思っておりました。
が、帰属家賃の部分で、消費支出が減りますので、逆に、統計から把握していた項目での収入の方が多くなってきました。この差額分が、まだ具体的な金額を把握できていない税金の負担額相当になるのかもしれません。
◯ 家計支出の中身
で、家計は、一体、なにに支出しているのか?ということですが、前回は、産業連関表の統合小分類表で、前々回は、統合大分類表でみておりまして、分類基準をどう置くかで、金額の大きな項目も微妙に変わってきます。
とはいえ、なにはともあれ大きいのが、「税金負担」、「社会保険料負担」です。この2項目の負担について、国民負担率という数値があります。
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