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プレーリースタイルの理念と原型


ロビー邸/1
フランク・ロイド・ライトらしい水平ラインが強調されたデザインの代表作であるロビー邸。
屋根を低く抑え、建物が地面に水平に伸び広がる設計手法を、ライト自身はプレーリースタイル(草原様式)と名付け、呼び続けました。
モダニズムの台頭に贖うように、プレーリースタイルの目指すところは、建物の形を単なる四角い箱から開放し外部の空間とつなげていくことでした。


ロビー邸はこの理念が純粋に叶えられており、プレーリースタイルの原型とされる住宅です。

ライトの故郷、ウィスコンシン州の草原に溶け込むような伸びやかで優雅で、それでいてどっしりとした外観。

キャンティレバーで伸び広がる屋根はこの建物の水平ラインを強調すると同時に、周辺環境へと伸び、ポーチや車寄せと主屋部を大きく包み込む。
軒下空間にも外壁が廻らされ、周囲からの視線を防いでいる。
この大きな屋根と、二重の外壁が室内と外部との間に巨大な影を作り出し、外部環境から住人を守り続けながらも人々を誘い続けている。

外部空間に落とす影とは対照的に、内部に入ると、徹底的に取られた周辺環境から守られた開口部により、とても明るい空間が広がる。

一見、要塞のように構える外観の中に、快適な住居環境が見事に実現されている。

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