【建築構造】トラス構造の解き方②
こんばんは、ひろです
今回も前回に続いてトラス構造の解き方について解説していきます!
前回の記事を読んでいない方はぜひ、下のリンクから↓
前回の記事ではトラス構造の解き方には大きく分けて『節点法』と『切断法』の2種類の解き方があることを紹介し、例題を通して『節点法』の解き方を詳しく解説しました!
今回はもうひとつの解き方である『切断法』について解説していきます!
今回も例題をいくつか用意したので、問題を解きながら自分のものにしていきましょう~
切断法とは?
切断法は特定の部材に作用している応力を求めるのに適している解き方です!
トラス構造の全部材の応力を求めるのには適していませんが、特定の部材の応力について求めるときには『節点法』よりも簡単に素早く解くことができます。
すべての部材の応力を求めるときは、『節点法』
特定の部材の応力を求めるときは、『切断法』
という使い分けで良いと思います。
前回の記事でも少し触れましたが、『切断法』にはΣX=0,ΣY=0,ΣM=0のつり合い条件式から部材応力を求めるカルマン法とモーメントのつり合いから部材応力を求めるリッター法の2種類があります!
今回は切断法の中でもリッター法をピックアップしていきます!
切断法(リッター法)の解き方!
リッター法はモーメントのつり合いから特定の部材に作用する応力を求める方法です!
「この部材の応力だけを求めたい」ときにはもってこいの解き方です。
解き方の流れとしては、
Step.1 支点反力を求める!
Step.2 応力(軸力)を求めたい部材を通る切断線でトラスを2つに切断!
Step.3 求めたい部材以外の軸力が集まる点まわりでのモーメントのつり合い式を解いて特定の部材に作用する応力(軸力)を求める!
この3ステップです。
前回と同じ例題を用いてリッター法の解き方を解説します!
例題①
まずは、前回と同じ例題でリッター法での解き方を解説していきます。
今回は部材bdに作用する応力を求めていきます!
まず最初に支点反力を求めるのですが、これは前回やったので省略します。
次に、応力を求めたい部材bdを通る切断線でトラスを2つに切断します。
切断線は写真赤色の点線です!
このとき注意したいのが、切断する部材の数が3つ以下になるように切断線を決めることです!
切断した部材に断面力(軸力)を書き出して、分かりやすいよう記号をつけておきます。
そして、求めたい部材以外の軸力が集まる点まわりでのモーメントのつり合い式を解いて求めたい部材に作用する応力(軸力)を求めます。
今回は部材bdに作用する応力を求めたいので、部材bc、部材acの軸力の集まる点cまわりでモーメントのつり合い式を立てて、それを解くことで部材bdに作用する応力を求めます。
点cまわりでモーメントのつり合い式を解くと
リッター法のコツとしては、キャンセルされる応力が多くなるように切断線の位置を決めてモーメントの計算を楽にすることです!
例題②
もう1問、前回と同じ例題でリッター法での解き方を解説していきます。
今回は部材bdに作用する応力を求めていきます!
支点反力は前回やったので省略します。
次に、応力を求めたい部材bdを通る切断線でトラスを2つに切断します。
切断線は写真赤色の点線です!
そして、求めたい部材以外の軸力が集まる点まわりでのモーメントのつり合い式を解いて求めたい部材に作用する応力(軸力)を求めます。
今回は部材bdに作用する応力を求めたいので、部材be、部材ceの軸力の集まる点eまわりでモーメントのつり合い式を立てて、それを解くことで部材bdに作用する応力を求めます。
点eまわりでモーメントのつり合い式を解くと
例題①、②でリッター法の解き方がわかったでしょうか?
もう2問例題を準備したので、自分の手を動かして解いてみましょう!
まずは、答えを見ずに自分の力で解いてみましょう。
例題③
まずは、平行弦トラスの問題です!
平行弦トラスは上弦材と下弦材が曲げモーメントに抵抗するために平行に、 垂直材と斜材がせん断力に抵抗するために配置された構造物です。
今回は上弦材dfに作用する応力を求めましょう!
(斜材の応力を切断法で求めるには、カルマン法も必要です。)
例題④
続いてはこちらの問題。
過去に同じような問題が1級建築士の試験に出ています!
こちらも上弦材ceに作用する応力を求めましょう!
解答&解説
例題③
まずは、支点反力を求めます!
次に、切断線の位置を決めます。
今回は、上弦材dfに作用する応力を求めるので切断線の位置を図のようにした人が多いと思います。
今回は部材dfに作用する応力を求めたいので、部材de、部材ceの軸力の集まる点eまわりでモーメントのつり合い式を立てて、それを解くことで部材dfに作用する応力を求めます。
モーメントのつり合い式を解くと
例題④
まずは、支点反力を求めます!
次に、切断線の位置を決めます。
今回は、上弦材ceに作用する応力を求めるので切断線の位置を図のようにした人が多いと思います。
今回は部材ceに作用する応力を求めたいので、部材cd、部材bdの軸力の集まる点dまわりでモーメントのつり合い式を立てて、それを解くことで部材ceに作用する応力を求めます。
モーメントのつり合い式を解くと
さいごに
今回もトラス構造の解き方の中でも特定の部材の応力を求めるときに有効な『切断法』について解説していきました。
『切断法』の中でも特に、リッター法について例題を交えて解説していきました。
例題を通してリッター法の解き方が分かってもらえたら嬉しいです!
2回にわたってトラス構造の解き方について紹介してきました。
今回紹介した『切断法』と前回紹介した『節点法』を自分のものにすれば静定トラスの応力計算は楽勝です!
また、別の機会にもうひとつの『切断法』の解き方である『カルマン法』についてまとめていこうと思います!
ではまた
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