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【中国語文法】意外と知らない?「できる」以外の「会」の用法まとめ

中国語文法の重要な項目の一つに能願動詞(助動詞)があります。他の動詞などと結びついて能力・願望・義務などを表すものです。「〜できる」という意味を表す能願動詞には「能(néng)」「可以(kěyǐ)」や「会(huì)」がありますが、「会」にはそれ以外にもさまざまな用法があり、知らないと文の解釈を間違えたり混乱してしまったりします。

この記事ではそんな「会」の用法を例文とともに詳しくまとめていきます!

能力を表す「会」の用法

まず、「会」の代表的な【能力】を表す使い方ですが、実は助動詞「能」「可以」との微妙な使い分けが最も難しく感じる部分でもあります。一般的に、「会」は知識や技術の習得によって目的を達成できる能力の存在を表すために用いられることが多いでしょう。

 その一方で、「能」が主に知識や技術の習得により客観的に目的を達成できると同時に、具体的な能力の程度を示すことにも使われ、「可以」は主に許可・認可や許容という認識の下に実行が可能であることを指します。このように、一見すると「会」と同じような意味を持つことがあっても、本質的には異なる意味合いを持つことが理解できるでしょう。 

・・例文:
我在大学念过企业管理,所以我会做会计业务。
Wǒ zài dàxué niànguò qǐyè guǎnlǐ, suǒyǐ wǒ huì zuò kuàijì yèwù.
私は大学で企業管理を学んだから、会計処理はできます。 

・・例文:
我们都在国外留学过,所以他也当然会讲英语。
Wǒmen dōu zài guówài liúxuéguò, suǒyǐ tā yě dāngrán huì jiǎng yīngyǔ.
俺たちは海外で留学してきたから、彼だって英語くらいはできるよ。 

・・例文:
她从体育大学毕业的,所以她最会运动。
Tā cóng tǐyù dàxué bìyè de, suǒyǐ tā zuì huì yùndòng.
彼女は体育大出身だから、スポーツが最も得意だよ。

【参考までに、以下に「能」「可以」の例文も少しご紹介します。】

※参考例文「能」:
他平时比谁都爱锻炼,所以能跑2个小时这么长。
Tā píngshí bǐ shéi dōu ài duànliàn, suǒyǐ néng pǎo liǎngge xiǎoshí zhème cháng.
彼は誰よりもトレーニングが好きなので、2時間は走ることができる。
 
※参考例文「可以」:
我有安全上的保证的话,我当然可以做。
Wǒ yǒu ānquán shàng de bǎozhèng dehuà, wǒ dāngrán kěyǐ zuò.
安全が保障されていれば、もちろんできるよ。

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可能性を表す「会」の用法

次に、「会」には特定の事実や状況がこれから発生する可能性を示す用法もあり、一般的には「~だろう」とか「~になるはず」などと翻訳されます。

・・例文:
目前比赛的情况来看,我们会赢的。
Mùqián bǐsài de qíngkuàng lái kàn, wǒmen huì yíng de.
現在の試合の状況から見て、我々は勝利できるだろう。

・・例文:
那位女生是新来的员工耶,我看很多男员工会喜欢她的吧。
Nàwèi nǚshēng shì xīnlái de yuángōng ye, wǒ kàn hěnduō nán yuángōng huì xǐhuān tā de ba.
あの女性が新しいスタッフか。多くの男性スタッフに好かれそうだな。

・・例文:
时间已经超过了1个小时,他绝对不会来吧。
Shíjiān yǐjīng chāoguòle yīge xiǎoshí, tā juéduì bù huì lái ba.
すでに1時間は過ぎているし、彼は絶対来ないだろうね。

自分の意思を表す「会」の用法

また、「会」は行動に対する決意や意思を表すこともあり、達成できる可能性に関わらず会話の中で多用されます。

・・例文:
这次成绩虽然不太理想,但我还会继续学习。
Zhè cì chéngjì suīrán bú tài lǐxiǎng, dàn wǒ hái huì jìxù xuéxí.
今回の成績は不本意だったが、僕は引き続き勉強を頑張るよ。

・・例文:
A:我们公司遇到一些困难的情况,希望你好好处理
B:我会的。
A: Wǒmen gōngsī yùdào yìxiē kùnnan de qíngkuàng, xīwàng nǐ hǎohhāo chǔlǐ 
B: Wǒ huì de.
A:我が社は困難な状況に陥っているので、君にぜひ打開して欲しい。
B:やりましょう。

・・例文:
为了满足客户的要求,我们只会不断地改善。
Wèile mǎnzú kèhù de yāoqiú, wǒmen zhǐ huì búduàn de gǎishàn.
お客様のご要望にお応えできるよう、今後も改善を続けて参ります。 

繰り返しの動作を表す「会」の用法

「会」で表現される意外な使い方として、日常的・習慣的な継続的行動を示すものがあるでしょう。この場合、会話や文章の中に何らかの時制が組み込まれていることも多く、主語となる者が普段から実行していることを強調する意味合いが生まれます。

・・例文:
我每天为了健康会吃一个苹果。
Wǒ měitiān wèile jiànkāng huì chī yīgè píngguǒ.
私は健康のために毎日リンゴを1つ食べています。

・・例文:
我家族墓离我家很近,所以每周末会去扫墓。
Wǒjiāzú mù lí wǒ jiā hěn jìn, suǒyǐ měi zhōumò huì qù sǎomù.
実家のお墓は私の家から近いので、毎週末、墓掃除に行っています。 

・・例文:
我平时只工作也不太花钱,所以我每半年会去一次东京玩玩。
Wǒ píngshí zhǐ gōngzuò yě bù tài huā qián, suǒyǐ wǒ měi bànnián huì qù yícì dōngjīng wánwan.
私は普段仕事ばかりであまりお金を使わない、だから半年に一度は東京に行って遊びます。

仮定文の中で使う「会」の用法

そして、特定の条件であれば実行するとか発生するというような用法で「会」が使われることも少なくありません。

・・例文:
如果你真的来我的故乡玩,我应该会带你去好几个地方观光。
Rúguǒ nǐ zhēn de lái wǒ de gùxiāng wán, wǒ yīnggāi huì dài nǐ qù hǎojǐge dìfāng guānguāng.
もし君が僕の故郷に本当に遊びに来るのであれば、僕はいろんな所に観光に連れて行けるはずだ。

・・例文:
如果你站在我的立场,我相信你也会跟我一样这么做。
Rúguǒ nǐ zhànzài wǒ de lìchǎng, wǒ xiāngxìn nǐ yě huì gēn wǒ yíyàng zhème zuò.
君が僕の立場だったら、君も僕と同じようにするはずだ。 

・・例文:
如果哪一天突然有一大笔钱,你也会马上辞掉现在的工作了吧?
Rúguǒ nǎ yìtiān tūrán yǒu yídà bǐ qián, nǐ yě huì mǎshàng cídiào xiànzài de gōngzuòle ba?
ある日突然大金を掴んだら、君だって今の仕事をすぐにでも辞めるのでは? 

現地人の会話に役立つ「会」を活用した言い回し 

これまで主語に続く「会」の用法を簡単にご紹介してきましたが、実際の会話では「会」を使った便利な受け答えもいくつか見られます。

・・例文:
A:我们老板又买了一辆新车
B:不会吧?我们几年都一直没加薪,真气死了。
A: Wǒmen lǎobǎn yòu mǎile yíliàng xīnchē 
B: Bù huì ba? Wǒmen jǐ nián dōu yìzhí méi jiā xīn, zhēn qìsǐle.
A:社長がまた、新しい車を買ったってよ。
B:冗談だろ? 俺たちここ何年も昇給していないって言うのに、ほんとに腹立つなあ。

・・例文:
A:如果他表白喜欢你,你会不会接受吗?
B:这样,可能会吧
A: Rúguǒ tā biǎobái xǐhuān nǐ, nǐ huì búhuì jiēshòu ma?  
B: Zhèyàng, kěnéng huì ba.
A:もし彼が告白しに来たら、どうするの? 
B:まあ、OKなんじゃない。

・・例文:
A:听说你上次跟他约过一次,感觉怎么样?
B:我要先看看以后会怎么样发展了
A: Tīng shuō nǐ shàng cì gēn tā yuēhuì yícì, gǎnjué zěnme yàng? 
B: Wǒ yào xiān kànkan yǐhòu huì zěnme yàng fāzhǎnle.
A:先日彼とデートしたんですって?  B:とりあえず、どんな感じで進むか観察しないとね。  

まとめ

たった1つの漢字で多くの意味合いをコントロールできる助動詞「会」は、中国語はある程度できる方でも大変奥深く感じられるものです。

しかし、今回紹介した各用法は誰もが現地人と多く中国語で会話することで自然と身に着くもので、学習後の積極的なアウトプットが求められます。会話にはまだついていけないという方でも、現地人同士の会話を多く耳にすることでも使い分けが理解できるようになるでしょう。

また、例文だけを見ると、どうしても会話でも同じように言いたいと思うものですが、自分の脳内でボキャブラリー・ケースを多く積み上げながら、自分なりの応用フレーズを構築していきたいものです。

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編集:アーキ・ヴォイス外国語スクール