中国語文法の重要な項目の一つに能願動詞(助動詞)があります。他の動詞などと結びついて能力・願望・義務などを表すものです。「〜できる」という意味を表す能願動詞には「能(néng)」「可以(kěyǐ)」や「会(huì)」がありますが、「会」にはそれ以外にもさまざまな用法があり、知らないと文の解釈を間違えたり混乱してしまったりします。
この記事ではそんな「会」の用法を例文とともに詳しくまとめていきます!
能力を表す「会」の用法
まず、「会」の代表的な【能力】を表す使い方ですが、実は助動詞「能」「可以」との微妙な使い分けが最も難しく感じる部分でもあります。一般的に、「会」は知識や技術の習得によって目的を達成できる能力の存在を表すために用いられることが多いでしょう。
その一方で、「能」が主に知識や技術の習得により客観的に目的を達成できると同時に、具体的な能力の程度を示すことにも使われ、「可以」は主に許可・認可や許容という認識の下に実行が可能であることを指します。このように、一見すると「会」と同じような意味を持つことがあっても、本質的には異なる意味合いを持つことが理解できるでしょう。
【参考までに、以下に「能」「可以」の例文も少しご紹介します。】
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可能性を表す「会」の用法
次に、「会」には特定の事実や状況がこれから発生する可能性を示す用法もあり、一般的には「~だろう」とか「~になるはず」などと翻訳されます。
自分の意思を表す「会」の用法
また、「会」は行動に対する決意や意思を表すこともあり、達成できる可能性に関わらず会話の中で多用されます。
繰り返しの動作を表す「会」の用法
「会」で表現される意外な使い方として、日常的・習慣的な継続的行動を示すものがあるでしょう。この場合、会話や文章の中に何らかの時制が組み込まれていることも多く、主語となる者が普段から実行していることを強調する意味合いが生まれます。
仮定文の中で使う「会」の用法
そして、特定の条件であれば実行するとか発生するというような用法で「会」が使われることも少なくありません。
現地人の会話に役立つ「会」を活用した言い回し
これまで主語に続く「会」の用法を簡単にご紹介してきましたが、実際の会話では「会」を使った便利な受け答えもいくつか見られます。
まとめ
たった1つの漢字で多くの意味合いをコントロールできる助動詞「会」は、中国語はある程度できる方でも大変奥深く感じられるものです。
しかし、今回紹介した各用法は誰もが現地人と多く中国語で会話することで自然と身に着くもので、学習後の積極的なアウトプットが求められます。会話にはまだついていけないという方でも、現地人同士の会話を多く耳にすることでも使い分けが理解できるようになるでしょう。
また、例文だけを見ると、どうしても会話でも同じように言いたいと思うものですが、自分の脳内でボキャブラリー・ケースを多く積み上げながら、自分なりの応用フレーズを構築していきたいものです。
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編集:アーキ・ヴォイス外国語スクール