很・挺・太・蛮・超…程度の副詞の使い分けを徹底解説!
日本語の「すごく」「とても」「あまり」のように状態の程度を表す言葉を文法用語では「程度の副詞」と呼びます。中国語にも「非常(fēicháng、かなり)」「 挺(tǐng、なかなか)」などさまざまな程度の副詞がありますが、ぴったり対応する日本語がなくニュアンスが難しいものもあります。
ここでは初学者向けの基本的な単語や表現とともに、「表現の幅を広げたい」という中上級者の方向けにネイティブが会話でよく使う程度の副詞を紹介します!
基本的な「程度の副詞」
基本的な「程度の副詞」には、很・非常・好・真・挺・太・不太・比较・还などがあります。上からレベルの程度が高い順に並べると以下のようになります。
・「非常」は日本語と同様に「非常に」、「きわめて」といった程度の高さを表す程度の副詞で、書き言葉にも使用されます。
・「太」は「あまりにも」、「〜すぎる」という意味で、形容詞や動詞を修飾し、程度が強すぎて望ましくないことを表すほか、良いことを大げさに強調する使い方もあります。文末に「了」を伴うことが多いです。
・「真」は「本当に」、「実に」という意味で、相手の言葉や自分のイメージよりも上だった時に使用します。
・「很」は文章・会話を問わずよく使用される程度の副詞です。「とても」という意味があるものと、肯定文の中でただ文法的役割を果たすだけで意味を持たないものがあります。また、読むときに「很」を強く読むと、「とても」の意味で、弱く読むと「とても」の意味がなくなります。
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このような肯定文説明文で形容詞が1文字の場合、後ろに文が続かない限り「他忙」だけでは意味をなさず、形容詞の前に必ず「很」が要ります。
また、否定文の場合は「他不忙。ー彼は忙しくない。」のように、「不」があるので「很」は必要ありません。疑問文の場合は「とても…」の意味がなければ使うことができません。
・「好」は、「とても」という意味で、「很」と同様に一般的なレベルを表し、特に会話の中で使用されます。言い切りの形では「すごい!」「かっこいい!」など感嘆のニュアンスを表すこともできます。
・「挺」や「还」は主にカジュアルな会話の中で多く使われます。「なかなか」という意味で、想定よりも程度が大きかったというニュアンスで用いられます。
・「比较」は「比較的に」、「わりに」という意味で使います。明確な比較対象がある場合はそれとの対比を表しますが、ない場合は「すごく〜というわけではないが〜だ」というやや冷めたニュアンスを与える表現になります。
・「不太」は、「あまり〜でない」という意味です。否定の「不」をレベル0とするならば、15%以内ぐらいの時に使用します。
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補語を使った程度の表現
また、「”得“+形容詞/動詞」で、「〜するのがとても〜だ」という意味を表すこともできます。
使えるとネイティブっぽい?少しこなれた程度の副詞
最後に、会話の中で使うとネイティブ感が増す「程度の副詞」として「实在」・「超」・「蛮」をご紹介します。一つずつ使い方を見ていきましょう。
・「实在」は、「本当に」という意味で、望ましいことにも使われますが、多くの場合は望ましくないことを表す時に使われます。
・「超」は、「とても」、「めっちゃ」、「超」という意味の新語です。「程度の副詞」である「非常」よりも、程度レベルが同じか、それ以上の時に使用します。
・「蛮」は、「なかなか」という意味で、「挺」や「还」と同じ程度のレベルを表します。
まとめ
「程度の副詞」は一見難しく見えてしまいますが、コミュニケーションを図る中で、感情のレベルや体験した出来事の状況などを伝えたい時などに必ず使う表現方法だと思います。
程度のレベルに対応した表現を使い方も含めて正しく習得できれば、表現の幅が必ず広がります。まずは、最も基本的な「很」の使い方から覚えて、是非使ってみてくださいね!
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編集:アーキ・ヴォイス外国語スクール